在庫を持つのは良い? 悪い?
在庫管理は製造業において最も重要な業務の内の一つです。「在庫はなるべく持たないように」「在庫の欠品がないように」など日々意識すべきことが多く、棚卸も大変です。
なぜ在庫を持つのでしょうか? 在庫を持つことのメリット・デメリットを改めて整理してみましょう。
在庫を持つメリット
・お客様からの注文後、納品までのリードタイムを短縮できる
・まとめて買う(作る)ことでコストを抑えることができる
在庫を持つデメリット
・在庫を買う(作る)と運転資金が増え、キャッシュが減る
・流行の移り変わりなどで購入したが使うことなく、死蔵品になるリスクがある
例えば短納期対応、リピート生産による低コストなどを強みとする製造業にとって、在庫を持つのは必要なことです。在庫があればお客様からご注文をいただいてから製品完成までが早くなり、素早く納品できます。
また、リピート品はまとめて手配することでボリュームディスカウントが適用されることが多く、手配の手間も減るので、低コストでの製造が行えます。
しかし、個別受注で一点物の製品製造が主な製造業にとっては、いつ注文が来るかわからない特殊な部品を在庫に持つことはリスクを伴います。もしかしたら期待していた注文は来ないかもしれません。たとえ安価な部品であったとしても塵も積もれば山となり、キャッシュフローを悪化させます。
このように在庫を持つことが良い? 悪い? は一概には言えません。自社の強みを支え、売上に貢献できる在庫を持つことは良いことですが、そうでない場合はなるべく持たない方が良いでしょう。
在庫が売上に貢献するかどうかの判断を行うためには、システムを活用した在庫管理をお勧めします。数量・金額を把握することはもちろん、滞留管理も大切です。最後にこの部品を使ったのはいつかがわかれば、手配のリードタイムと対比して、本当に在庫として持つべきものなのかが判断しやすくなります。
日々の在庫品の受払データを蓄積し、活用していきましょう。