企業情報化協会(IT協会) シーメンス・GE招き研究会 「第4次産業革...

企業情報化協会(IT協会) シーメンス・GE招き研究会 「第4次産業革命 どう対応?」

企業情報化協会(IT協会)は14日、「IoT for ビジネス革新研究会」の第3回勉強会を行った。今回はIoT、インダストリー4.0、第4次産業革命をテーマとし、シーメンス デジタルファクトリー/プロセス&ドライブ事業本部から神澤太郎ビジネスエクセレンスグループマネージャ、日本GEから新野昭夫インダストリアルインターネット推進本部長を講師に招き、各社の講演の後、ディスカッションを行った。

はじめに、シーメンスの神澤グループマネージャがインダストリー4.0と同社の取り組みを紹介。インダストリー4.0について、他の分野ですでに起きているデジタル化が製造業に来ているだけであり、「お手本になるモデルはたくさんある」(神澤氏)から恐れることはない。またIoTはツールでしかなく、それをフル活用して業務効率化してくことが大切とし、PLMとMES、TIAで工場内の統一のネットワーク、プラットフォームを構築するのが、同社のデジタルエンタープライズの戦略であると説明した。

続いて日本GEの新野本部長がインダストリアルインターネットの取り組みを紹介した。インダストリー事業の成長鈍化を受け、ビジネスモデルの変化、デジタル化を強力に推進するためのGEデジタルを発足させたこと、IoTプラットフォーム「Predix」と、エアアジアや風力発電等での活用事例、サイバーセキュリティについて説明した。

また日本と海外の工場を比較し、「日本の工場は改善が浸透して高いレベルにあり、ムダが多い海外工場に比べ、データ活用などでオペレーションを最適化する『ブリリアントファクトリー』の実現には近い」と話した。

講演の後のディスカッションでは活発な議論が行われ、質疑応答も白熱。「これから日本企業はどうしたらいいか?」との質問に対し、神澤氏は「インダストリー4.0を行う際、当社ではやる・やらない分野を決めた。日本企業も、公開しても良い分野、守らなくてはいけないところを明確にすべき」とし、新野氏は「改善や正確性、品質、人のことを考えたシステムのきめ細やかさは日本の強み。いま人間系で行っていることをデジタル化してアプリケーションにしていけば価値は上がるだろう」とアドバイスした。

またIoT時代の情報システム部門のあり方について、シーメンスでは社内でも力を持っており、横串で業務プロセスを設計する権限があると明かした。GEでも、全社の情報システム部門を巻き込んでGEデジタルとして独立させ、グループビジネスのデジタル化を推進。またIoTでは「CIO(最高情報責任者)is king」という言葉があり、情報システム部門がもっと力をつけていかなければならないと助言した。

出典:企業情報化協会(IT協会) シーメンス・GE招き研究会 「第4次産業革命 どう対応?」


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。