三菱電機、SF6ガス開閉装置用 2つの新技術を開発

三菱電機、SF6ガス開閉装置用 2つの新技術を開発

遮断・絶縁性能アップ

三菱電機は、高電圧の電力系統に利用されるSF6ガス絶縁開閉装置の電流遮断性能を25%向上させる「アーク冷却促進技術」と、絶縁性能を30%向上させる「高電圧導体の高密度絶縁コーティング技術」を開発した。

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高電圧SF6ガス絶縁開閉装置は、優れた遮断性能と絶縁性能のため電力の安定供給に寄与しているが、一方で地球温暖化係数が高く、地球温暖化対策が世界的な課題となる中、使用量削減が求められている。

アーク冷却促進技術は、電流遮断時に電極間に発生するアーク(高温の導電性プラズマ)を、冷却材からガスを噴出させてガス圧力を高めて吹き付け、アークを一気に冷却・消滅させる独自技術。アークを通じた電流が流れにくくなり、従来の方式と比べて電流遮断性能が25%向上した。

 

高電圧導体の高密度絶縁コーティング技術は、金属表面を緻密に絶縁被覆する技術で、金属素地表面に発生する放電の抑制が可能となり、絶縁被覆をしない場合と比べて絶縁性能が30%向上する。

また、電流遮断性能の向上により、遮断ユニット数を2点から1点へ削減、高電圧導体表面の放電の抑制によって、ガス封入用タンクの小型化ができる。タンクサイズの小型化で、開閉装置に封入するSF6ガス量の削減も可能となる。

同社は今後、これらの技術を搭載した開閉装置の開発を進めていくとしている。

出典:三菱電機「電力用ガス絶縁開閉装置向け遮断・絶縁技術を開発」


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。