ワンタッチゲージ

ワンタッチゲージ

工程でオペレーターが自分で加工・組立したものが良品かどうかチェックしたり、出来栄えを見ることは、オペレーターの義務である。

次工程は大切なお客様である。

いや、ユーザー、一般市民と認識して、ひとつたりとも不良を流してはいけない。

そして、その全数検査をいかに効率よく行うかの工夫・知恵が、不良ゼロ・ポカミス防止へのポイントである。

 

常に、組立・加工したところで即検査することが重要である。

できるだけ検査チェックを細分化して、検査作業の配分を全員へ分担することが必要である。

加工したらすぐ検査、組立したら即チェックと、作業と検査の1対1を考えていかないと、作業と検査の効率追求ができない。

 

全数検査は作業性のよいワンタッチゲージ化にする。

決して測定具(スケール、マイクロメーター、ノギス、ダイヤルゲージなど)や検査機器(オシロスコープ、エアマイクロ、圧力測定具など)をそのまま使用してはならない。

 

要は、寸法を読ませたり考えさせたりしていたのでは、リズムが乱れるだけで効率が悪いのは当然である。

「止まり」「通り」のNO-GOゲージとして、ワンタッチでNG(NO)かOK(GO)の判断ができるだけでよい。

毎回違う製品に対応するには色別管理か、背番号管理である。

バーコードにより自動検知し、自動的に対象ゲージがシリンダーによって下がってくる場合もあるだろう。

いずれにしても自社内製で作業性の良いワンタッチゲージで全数検査する。

そしてそのゲージをラインの流れの動線上に吊ること。

 

ワンタッチゲージ製作上の留意点としては、「止まり」「通り」のNO-GOゲージであることが重要である。

まず、「止まり」が先である。

これは、栓ゲージの場合「通り」が先になると、不良になる可能性があるためで、まずMAXが管理されて、次にMINをチェックするためである。

不良を最小限にするための優先順位があるので十分検討すること。

不良はNGであり、絶対に不良を作らない仕組みを織り込まなければならない。

ゲージを道具化し、使いやすくワンタッチでチェックできるようにしなければならない。

 

*SPS経営研究所監修「ポカミス撲滅大全」より抜粋


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。