ロボット工業会、実績・見通し発表。産業用ロボ 18年は過去最高

ロボット工業会、実績・見通し発表。産業用ロボ 18年は過去最高

19年は一服も 依然高い自動化需要

ロボット工業会は2018年1月から12月の産業用ロボット受注・生産・出荷実績と19年の見通しを発表し、18年は受注・生産・出荷台数と金額ともに過去最高を記録した。

19年は18年から若干の減少となる見込みだが一時的であり、依然として世界的に自動化需要への関心は高く、右肩上がりが期待される。

ロボット工業会

 

国内は電子機器 自動車向け好調

18年の実績について、受注台数は24万8283台(17年比5.5%増)、受注額は9623億8400万円(1.9%増)、生産台数は24万339台(2.7%増)、生産額は9116億900万円(3.9%増)。国内と輸出を足した総出荷台数は24万2127台(3.7%増)、総出荷額は9322億9400万円(4.1%増)となった。下期に減速したが、各項目ともに18年を上回り、過去最高だった。出荷額では国内が2ケタ増と堅調に推移し、輸出は下期の減速が響いた。

国内での業種別では、電気・電子機械製造業向けは、出荷台数は2万619台(10.2%増)、出荷金額は1009億5100万円(3.3%増)。マウンター・実装機など電子部品実装用が堅調だったが、クリーンルーム用、半導体製造用は7.5%減と苦戦した。自動車製造業向けは、出荷台数は1万7889台(22.1%増)、出荷金額は765億100万円(17.0%増)し。溶接用が前年比2ケタ増で堅調。トータルでも2ケタ増となった。

国内の用途別では、電子部品実装用が出荷台数1620台(2.5%減)、出荷額321億9500万円(4.6%増)。台数は前年割れだったが、堅調に推移した。溶接用が出荷台数9556台(19.4%増)、出荷金額429億3000万円(8.1%増)。自動車製造業を中心に堅調に推移した。

 

輸出は電子部品実装用が増加中

輸出向けの用途別では、電子部品実装用が輸出台数1万3501台(8.7%増)、輸出金額2152億800万円(13.0%増)。17年に急増して18年も継続。中国向けに下期が減速したが、インドやASEAN各国で大きな伸びがあった。溶接用は輸出台数3万6682台(11.3%減)、輸出金額は945億1700万円(8.4%減)。主要国のアメリカと中国向けで減少し、特にアメリカは金額ベースで25%の減少。ヨーロッパ向けも年後半に減速した。

国別輸出額では、中国が突出して高く、17年・18年は微増となり、2679億6400万円。その他東南アジア諸国での需要が高くなっている。

19年の見通しは、受注額・生産額・総出荷額ともに18年からの減少を見込む。受注額は2.3%減の9400億円、生産額は3.5%減の8800億円、総出荷額は3.5%減の9000億円となる予想だ。

出典:日本ロボット工業会「ロボット統計受注・生産・出荷実績」


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。