ロボット導入は次の時代への通過儀礼

ロボット導入は次の時代への通過儀礼

春から夏にかけて、梅雨に入る前のこの季節は、自転車で走るのが気持ち良い季節だ。ペダルをこぎ、力を伝え、自転車はそれに応えてスーッと前に進んで行く。吹き抜けていく風が気持ち良い。自転車に乗りはじめて何十年もたつが、今でも飽きることはない。

▼思えば、自転車に乗れるようになった瞬間、世界は大きく広がった。自転車に乗れなかった頃の自分の世界は、歩き回れる程度のごく近所に限られていた。小学生になって一人で自転車に乗れるようになると、隣の地区や離れた場所まで自転車に乗って遊びに行った。新しい土地で、新しい人々と出会い、新しい価値観や遊びを覚えていった。振り返ると、自転車に乗ることは、子供から大人になるために誰もが通らなければならない通過儀礼だった。それをクリアしたから今の自分がある。

▼新しい設備の導入は、既存設備ではできないことを技術的に可能にする。さらに、それを使う人にも大きな影響を与える。これまで製造現場はそれを繰り返すことで成長してきた。人手不足が深刻化するなか、現場へのロボット導入が進んでいる。ロボットは人の作業をサポート・代替し、これからの製造業には欠かせないツールであることは間違いない。ロボット活用は自社をより高いステージに引き上げるための通過儀礼と言っても過言ではない。チャレンジは早いほど良い。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。