マインドセットを変えるチャンスへ

マインドセットを変えるチャンスへ

最近、マインドセットという言葉をよく聞く。

これまでの経験や受けてきた教育、先入観などから形づくられる思考のことで、いわゆる固定観念、暗黙の了解などがこれに当たる。

 

新型コロナウイルスの影響でリモートワークを行う企業が増えている。twitterを見ていても「意外に仕事ができる」「逆に業務がはかどる」「通勤がないのでストレスが少ない」等の意見が見られ、人の意識に影響を与えていることは確かなようだ。

ガチガチに固まっていた思考が、リモートワークをいったん経験したことによって小さなヒビが入った。「働き方とはこういうものだ」という固定概念がゆらいでいる。

 

日本はGDP世界2位(現在は3位)に急成長した強烈な成功体験があり、それが良くも悪くもマインドセットに影響を与えている。成功体験は総じて資産となる一方、負債にもなりうる。「生産性の低さ」はその負の側面のあらわれだ。

デジタル時代には過去にとらわれず、新たな思考や価値観が求められる。新型コロナウイルスの感染拡大は多方面に被害が出て、残念で悔しいことだが、日本全体に変化を促す強制力として働いている。

今のリモートワークをきっかけとしてデジタル化の波にし、マインドセットを変えるためのチャンスとしたい。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。