ボッシュ、日本事業好調。IoTで新たな事業分野への参入も視野
ボッシュは、日本における事業を総括する年次報告を行い、2016年度の売上高は2670億円で、17年度は3〜5%増加する見込みを発表した。
16年度は前年とほぼ同水準だったが、17年は若干上向く見通し。ウド・ヴォルツ代表取締役社長は、「17年は、自動車向けインフォテインメントシステムや二輪車向け製品の需要増加が見込まれることから売上の増加が予測されており、すでに幸先の良いスタートを切ることができた」と解説。
自動車分野では、電動化ソリューションが順調。燃料電池システムに特化した組織「FCEVプロジェクト推進室」を新設し、自動車メーカーへの提案を強化。18年初頭からはeモビリティに特化した事業部門と既存のガソリンシステム事業部とディーゼルシステム事業部を統合させた「パワートレイン ソリューションズ事業部」を設立する。パワートレインに関する全ての技術をコンポーネントからモジュール、システム一体などあらゆる形で提供していく。
自動運転を見据えたステアリングシステム事業は強化を継続。19年には、車載ファームウェアの無線アップデート「FOTA」のソリューションを日本の自動車メーカーの量産車向けに提供を開始する。また、欧米で実施している駐車スペースを探せるコネクテッドパーキングの実証実験を日本でも検討中。
そのほか、自動車領域以外の全領域でIoTに力を入れ、17年内にはスマート農業ソリューション「Plantect(プランテクト)」を日本で販売を開始。ハウス栽培のための栽培環境モニタリングとAIを使った病害予測の2つの機能を持ち、収穫量に影響を及ぼす病害を防止する。現在、病害予測機能はハウス栽培のトマトに限られているが、イチゴ、キュウリまたは花卉など他の農作物への早期展開を予定している。