チームクロスFA、DXショールーム開設 次世代生産ライン備える

チームクロスFA、DXショールーム開設 次世代生産ライン備える

製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)とスマートファクトリー構築の支援を行うロボットシステムインテグレーターや設備メーカー等の連合体のチームクロスFAは9月10日、製造業のDXから生産ロボットシステムをリアルに体感できるショールーム「スマラボ東京」を、東京都千代田区に開設した。

同所は官公庁にほど近い、内幸町のNTT日比谷ビルのB1階にオープン。製造業のDXの必要性が叫ばれるなか、スマートファクトリーや生産のデジタル化に必要なデジタル技術とデータ活用、さらにそれをリアルで実現するロボットや生産設備を備えたショールームとなっている。

 

目玉は、ITとOT、実際の生産ラインを融合した次世代の生産方式のコンセプトライン「DX型ロボットジョブショップ」。

リアルな生産ラインは、ジョブショップと言われる、ロボットと画像技術を使って治具レス・位置決めレスを実現した単純機能の自動化工程を並べ、その間の搬送をAGV・AMRのロボットが担う。加工の順番や異種流し、生産品変更による工程変更に柔軟に対応できないコンベアライン生産に対し、DX型ロボットジョブショップでは搬送の追い越しや混流生産、ジョブショップの構成変更などで変化への対応力に優れている。

バーチャルでも、CADを使って行われる製品設計から工程やレイアウト設計といったエンジニアリングチェーンと、生産管理システム、製造や物流、品質、保全の作業実行を指示する統合MES、動作シミュレーションと生産シミュレーションの2つのシミュレーション技術を使ってリアルな生産ラインを再現したデジタルツイン、さらにはリアルな生産ラインとそこから上がってくる稼働データや電力データを蓄積・分析するIoTプラットフォームまで、すべてが連携している。

生産シミュレーションとAIが生産計画や設備情報と設備から上がってくるデータを学習・比較して最適な生産を導き出し、工場を稼働すればするほど企業の変革力が強化され、進化していくものとなっている。

 

プロデュース統括の天野眞也氏は「人手不足やリードタイム短縮といった課題を解決するにはダイナミックケーパビリティとデジタルトランスフォーメーションの実現が大事だ。上位のデジタルとリアルな設備を連携し、経営指標にまで結びつけることができる唯一の場所だ」とし、ビジネス統括の貴田義和氏も「DXの実現は、DXの生み出すストーリーにリアルな設備が追従して動けることが重要となる。システムインテグレーターならではの、最高の技術をコネクトした展示ソリューションになっている」と話した。

技術統括の飯野英城氏は「DXでいくら良い方法を考えても、まっすぐに流れるコンベアラインでは何もできない。DX型ロボットジョブショップでは、DXが考えた最適な生産を実現できる」としている。

SONY DSC
左から貴田義和氏、天野眞也氏、飯野英城氏

 

■Team Cross FA(チームクロスエフエー)


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。