よそ者、若者、馬鹿者が日本の製造業を変える
先日、「『第4次産業革命』トークセッション&交流会@渋谷 ―ニッポンのIoTはどこにいくのか―」と題したイベントに参加してきた。スピーカーにロボット革命イニシアティブ協議会インダストリアルIoT推進統括の水上潔氏、シーメンスのデジタルファクトリープロセス&ドライブ事業本部ビジネスエクセレンスグループマネージャ神澤太郎氏、SAPジャパン インダストリークラウド事業統括本部IoT/TR4ディレクターの村田聡一郎氏を迎え、11月29日からのシステムコントロールフェア2017/計測展2017TOKYOに先駆け、ざっくばらんに第4次産業革命を語ろうという趣旨の会だ。
▼参加したのは、第4次産業革命に興味があるという約30人。制御機器メーカーの営業マンから大学の研究者、IT系の技術者、学生など、第4次産業革命への関わり方や興味分野も異なる30人が集まり、しかもちょっとアルコールも入ったものだから議論があちこちに飛んだ。とは言え、得たものも少なくない。例えば、ロボット革命イニシアティブとIoT推進ラボとの違い、外資系企業の本音など、普段は聞けない話が飛び出し、大いに盛り上がった。
▼なかでも印象的だったのは、日本の製造業は井の中の蛙では?という意見。海外企業はオープンソースソフトウェアを積極的に使い、安く早くものを作る方向に進んでいるのに対し、日本企業は自社開発で時間と費用をかけて作り、それを競争力だと思い込んでいる節があるとのこと。生産性向上を叫びながら、そもそも構造からしてムダが多いという指摘は衝撃的だった。製造業の人間同士の議論ではなかなか出ない話で、多種多様な人がいるオープンな場の威力を感じた。時代を変えるのは、よそ者、若者、馬鹿者とよく言われる。まさにこの場はそうした人たちの集まりだった。日本の製造業は閉鎖的で、凝り固まっている。第4次産業革命で時代が変わる今、もっとよそ者、若者、馬鹿者の意見を取り入れてもいいはずだ。