いま日本の製造業に必要なこと

いま日本の製造業に必要なこと

 

いま日本の製造業に必要なことは何だろう?

個人的には、業界に携わるすべての人がひとつの認識を共有することだと思っている。製造業の企業を経営する社長、そこで働く社員、その上司である管理職をはじめ、経済産業省や◯◯市産業振興課のような製造業を管轄する行政も含めて、目指すべきところを共通認識で持ち、それを元に各人の活動に落とし込む。

これができれば製造業界の風通しが良くなり、もっと多くのアイデアが生まれ、活性化できるのではないかと思ったりする。

 

「製造業を元気にしたい」「製造業を愛しています」そんなことを口に出して発信していると、同じ意志を持った人に出会う。

17日、パワードウェアという着るロボットを開発しているATOUNの藤本弘道社長と中小製造業の活性化とアイデアについて意見交換をした。同じ日に、日本カイゼンプロジェクトに参加し、柿内幸夫会長をはじめ、中小製造業で改善活動を行っている人々と「いま製造業企業がすべきこと」のような話で盛り上がった。

まったくの偶然ではあるが、一日のうちに数十人もの同じ意志を持った人たちに出会うことができた。

 

市井には製造業が大好きな人々がたくさんいて、共通した意識を持ちながら、お互いが知らないまま個別に活動している。とてももったいない話だ。こうした人がたくさんいる日本の製造業の底力と、それを集めた時にはとてつもないパワーが生まれる可能性がある。

日本の製造業の強みは現場にあると言われるが、まさにその通り。現場には技術と熱い意志を持つ人が多くいて、その中から業界を俯瞰(ふかん)して全体を憂う人がたくさん出てきている。

そうした小さな光が集まって大きなエネルギーになる。それが日本の製造業再興のシナリオかもしれない。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。