いま必要なのは“変化”である 環境変化への対応が生死を分ける

いま必要なのは“変化”である 環境変化への対応が生死を分ける

蛇は古代から不死の象徴とされる。世界中の神話に登場し、畏れ崇められた。一説によると、蛇は1年に1度脱皮することから、それを見た人々が生まれ変わって生き続けるもの=不死と考えたのだろうと言われる。つまり生き続けるには変化が必要だということを、現代文明ができるずっと以前から私たちは肌で感じ、知っていた。

▼「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ」日本人なら一度は必ず耳にしたことがある平家物語の冒頭文だ。すべてのものは変化し、ひとつとして同じ状態に留まるものはない。鎌倉時代から900年以上、日本人は時の流れや外部環境の変化に対応していくことの大切さを説き、耳を傾けてきた。

▼製造業を取り巻く環境は激変している。さらに米国のトランプ政権の誕生によって、さらに大きな変化が起きることが目に見えている。日本の製造業には、組織改革、現場の構造見直し、新規顧客や新たな収益源の発掘など、やれることはたくさん残っている。デジタル技術の進化によって昔よりハードルは下がっている。厳しい環境が続くことは間違いないが、次の時代に向けた変化を恐れてはいけない。ここが正念場だ。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。