【2018年3月第2週工場新設・増設】いすゞ自動車、東洋紡、三菱電機など
【日本国内】
▶︎いすゞ自動車
栃木工場(栃木市)内に、小型トラック向け新型ディーゼルエンジンの生産を行う新しい工場を新設し、生産を開始した。
新工場では、国内市場向け小型トラック「エルフ」に搭載する、平成28年排出ガス規制に対応した新型エンジンを生産。加工ライン飛散物回収システム導入による臭いや汚れの低減化や作業負荷軽減を狙ったフロアのフルフラット化、工場内照明の全灯LED化など、人に優しくクリーンで、かつ環境負荷の少ない最新の工場となっており、スマート工場としてIoTの活用による徹底した品質管理や、セル生産方式採用での生産性向上を図る。
延床面積は約6万2500平方メートル。
▶︎木田屋商店
植物工場運営で業界大手の同社が、福井県小浜市に「木田屋商店第2プラント」を新設。東洋紡エンジニアリングが工場を設計・施工する。
新工場は省スペースで生産効率を高めた、コストパフォーマンスを徹底的に追求した完全閉鎖型植物工場で、収穫の半自動化により、プラント面積を通常の約2分の1に縮小。また、設計・施工と工場運営という両社の経験と実績を生かし、徹底的に無駄を省いたため、初期投資を従来の約2分の1に抑えている。
延床面積は800平方メートル、生産規模(レタス等葉物類は日産600キロ。稼働開始は18年10月の予定。
▶︎京セラ
セラミックパッケージなどの増産に伴う生産スペースの確保を目的に、鹿児島川内工場(薩摩川内市)に新工場棟(20工場)を建設する。
新工場棟では、SMD(電子部品用表面実装)セラミックパッケージ、CMOSセンサー用セラミックパッケージなどの生産を順次開始し、将来的には、これら製品の生産能力を現状の約25%アップする計画。また、セラミックパッケージ以外の製品においても市場状況等を判断しながら、同工場棟での増産を検討していく。
建築面積は8235平方メートル(鉄骨6階建)、延床面積は4万2283平方メートル、投資総額は約55億円。着工は18年4月、操業開始は19年8月の予定。
▶︎東洋紡
超複屈折フィルム「コスモシャイン SRF」の製造設備を犬山工場(愛知県犬山市)に新設する。
液晶ディスプレー(LCD)市場は順調に拡大しており、年率3%の成長が見込まれている。また、SRFの事業環境においてもLCDパネルの大型化やオープンセル販売、ベゼルレス化により、耐水性、耐久性に優れるポリエステルの需要が拡大。これらに対応するため、犬山工場に100億円を投資し、SRFの製造体制を犬山工場2ライン、敦賀事業所1ラインの合計3ラインに増強する。
20年5月から量産を開始し、21年にはSRFの売り上げが現在の約2倍となる200億円を目指す。
▶︎富士フイルム
グループ会社の富山化学の第二工場(富山市)内に、抗がん剤「FF-10832」など独自技術を生かしたリポソーム製剤の治験薬製造や商業生産を行う新工場を建設する。
新工場は、富士フイルムの高度な生産技術により独自設計・開発した製造設備や封じ込め設備の導入、富山化学がこれまで注射剤の無菌製造で蓄積してきた生産ノウハウの活用により、高信頼性・高品質のリポソーム製剤の安定生産を実現。さらに、最先端ICT技術を用いた先進的な生産システムを導入し、製造プロセス・品質評価データや設備稼働データの一元管理、電子タグによる原料や部材などを使用管理し、効率的なオペレーションで生産を行う。
延床面積は約2400平方メートル(地上2階建)、投資金額は約40億円。着工は18年9月、稼働開始は20年2月の予定。
【海外】
▶︎日本シイエムケイ
両面プリント配線板、多層貫通プリント配線板、ビルドアップ配線を生産しているタイ子会社CMK CORPORATIONの工場を増設する。
同社グループ主力の車載基板市場の拡大が続いていることを受け、生産能力を増強し、グローバルで増大する需要を確実に取り込み、さらなる収益拡大につなげていく。
投資額は約50億円、増設後生産能力は現状比約25%増。稼働開始は18年12月より順次。
▶︎三菱電機
韓国の仁川経済自由区域に建設していた、韓国三菱エレベーター(KMEC)のエレベーター新工場(=写真)の稼働を開始した。
新工場にはR&Dセンターを新設。開発・検証機能を強化するとともに、生産能力を現在の2.5倍となる4000台に拡大し、グローバル事業展開の加速と韓国市場での規模拡大を図る。
敷地面積は1万8220平方メートル、総建築面積は1万9070平方メートル、付属施設のエレベーター試験塔は高さ95メートル。投資額は約330億ウォン(約35億円)、工場稼働時の人員は約120人。