『品質でもうけなさい』1-5.マネジメント改革は経営者の責任
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1-5.マネジメント改革は経営者の責任
例えば、こういった光景が会社の中で当たり前になっていたら「マネジメントに欠陥があると」考えてください。
みなさんの会社ではどうですか。マネジメントは会社の経営活動そのものですからマネジメントに欠陥があると、改善がうまくできない以前に日常業務にも支障が出てきます。
そこに「問題」があります。
ところが、問題解決というと、すぐ現場でIEとかQCを駆使した改善活動をイメージしてしまう。
マネジメントの欠陥でうまく進まない改善活動で、マネジメントの欠陥を改善しようとしてもムリです。
では、マネジメントの基本とは何でしょうか? そんなに難しく考える必要はありません。
まず、トップマネジメント。
社長、取締役、工場長などのマネジメントです。その最も重要な役割は、方針を出すことです。
ミドルマネジメントは部長、課長など組織の長のマネジメント。
トップ方針に基づく経営を実現するためにトップ方針を展開し具体化して、組織としての方針を出します。
ロワーマネジメントは係長とか班長など実務の監督者のマネジメント。
組織方針に基づいた業務の実施計画を立てて、作業者に実行させ、進捗を管理します。
このようにして、業務を遂行した結果が確実に経営成果につながるようにしていく一連の活動がマネジメントです。
大切なことがひとつあります。
つまり、これらの役割の中で、それぞれの責任を果たすための「権限委譲」ということが行われます。
この権限委譲が行われた場合に「報告責任」という新たな責任が発生することも決して忘れてはいけません。
ぶっちゃけた話、仕事は部下に任せろ、任せたら必ず報告させろということです。
ところが、こんな簡単なことがうまくできない。
その上、ほとんどの場合、当事者はマネジメントに問題があるとは思っていません。
あるいはマネジメントについて全く無知・無関心ということもあります。
いずれにしても問題のない会社になっています。
このまま、マネジメントの問題を放置していたら、いつまでたっても改善の成果を得ることができません。
そこで、現場の改善活動と同時にマネジメントの質を向上させる取組みが必要となってくるのです。
本気で改善活動を進めようと思っているならば、経営者・管理者は自ら率先してマネジメントに改革のメスを入れる覚悟をしなければなりません。
それができなければ、いつまでも特効薬を求める不毛な改革運動にムダ金を使い続けるだけと思ってください。
楽屋裏話 by『面白狩り』編集長
ネジメント改革は会社の発展にとって非常に重要な課題ですが、これがなかなか一筋縄にいかない。
というのは、多くの場合、マネジメントそのものが、その会社の風土、伝統、慣習など理屈では片付けられないものによって形作られているからです。
良い伝統もあれば、悪い伝統もあります。
そういったものが組み合わさって会社の個性になっているわけです。
経営者・管理者の「覚悟」などとシビアな言い方をするのも、マネジメント改革はこうした個性・アイデンティティを変えていかなければならないからです。