《将来に対する不安》を抱く若手技術者を導くには
若手技術者が抱くものとは
入ったばかりの新入社員は、恐らく目の前のことをがむしゃらにやる素直さがあると思います。
ところが、ある程度経験を積んでくるとがむしゃらにやるだけでは自分は成長できないのではと考えるようになるタイミングが出てきます。
いわゆる「将来に対する不安」というものです。個人差はありますが、概ね30歳前後、もしくは入社5年目の頃が多いようです。
- この仕事を続けて先に何があるのだろうか
- 今の自分の技術者としてのスキルレベルはどのくらいにあるのだろうか
- 周りに目指すべき姿を有する上司や先輩がいない
このような気持ちになると一つ大きな問題が生じます。それが、「モチベーションの低下」です。
自分が目指すべき姿を描けないことによる不安が増大し、仕事に対するやりがいを失ってしまうのです。これは日々の業務効率の低下やアウトプットの質の低下といった多くの問題につながってしまいます。
このような状況にならないよう「自分の目指すべき姿は何か」ということを明確化するための知見を若手技術者に対して事前に積ませておくことが重要です。
「目指すべき姿」を明確化するための知見とは
目指すべき姿は何か、という事を明確化するために蓄積すべき知見。それは、「“軸足を持ちながら”広い仕事を経験させる」ということです。
この“軸足を持ちながら”というところがとても重要です。やたらめったにさまざまな職種を経験させてジェネラリストを育成するというのとは違います。
技術者としてはじめに経験した職種を軸として、それに関する職種を可能な限り幅広く経験させるのです。これによって一つの柱の両側に裾野が広がるようなスキル体系になり、視点が広くそして高くなっていきます。
この視点を持つことこそ、自らが目指すべき姿を見失ったときに「自分の目指すべき道筋は何か」という道筋を見つけるにあたり必須のスキルとなります。
若手技術者が中堅になってからも高いモチベーションを維持するには、常に目指すべき姿を見失わないことが重要です。
技術者が若手のうちから“軸足を持った幅広い経験”ができるよう、業務経験をさせるよう心掛けてください。