《べき論》だけを振りかざす経験浅い若手技術者たち
量産で問題が起こった。
この問題を解決するには今すぐにでも原因究明を進め、
その問題の原因を取り除くことに全力を注ぎ、
安定品質の商品をお客様にお届けしなくてはならない。
ものづくり企業で、生産部門も抱えている場合、想定外の問題が起こることで生産が止まることは日常茶飯事です。
「べき論」を振りかざす若手技術者
関係者原因が集められ、解決に向かおうとしているとき、全員のやる気をそぎ落す、以下のようなことを言う若手技術者がいることは無いでしょうか。
- その問題は、品質管理部門だけで解決すべき問題です。我々設計部門には関係ないのではないでしょうか。
- 原因究明するためには、量産を何日も止めてじっくり時間をかけなくては何度も同じことが起こると思いますよ。
- 今手元にあるデータでは何も判断できないのではありませんか。
- このような事が起こるというのは何度も言われていたのではないですか。起こって当然かと。
現在目の前で起きている事実に目を向けようとせず、
「本来はこうあるべきだ、本来はこうあるべきだった」
と「べき論」ばかりを振りかざすだけ。
「出は何か解決策はあるのか」
ときいても、
現状無視の「理想論」を掲げ続けるか、「わかりません」の一点張りという程度。
こいつは戦力にならないから外しておけ
猫の手も借りたいところですが、周りのモチベーションを下げるくらいなら居ない方がまし、という判断をせざるを得ないでしょう。
「べき論」を振りかざす若手技術者の共通点
このような若手技術者に共通しているのは、
「この問題は私には無関係である」
という当事者意識の欠如と、
「具体的提案を持って問題を解決する」
という問題解決力の不足に由来しています。
それでも当の本人はプライドだけは高いため、本質的には誰も反論しないであろう安全発言である、
「べき論」
に話題が終始してしまうわけです。
「べき論」を振りかざす若手技術者の指導方法
このような若手技術者に対してどのような指導を行えばいいのでしょうか。
業務命令で解決させようとしても、一人で抱え込むだけで傷口は広がる一方。
さらに業務命令で「やらされた」という感覚を持つようになることで、その後長い時間にわたって逆恨みをする可能性さえあります。
こういう時に育成として最も大切なこと。
それは、
「上司自らが問題を解決するという姿勢を見せつける」
ということです。
部下がいるのになぜ、という疑問はもちろん理解できますが、上司が活躍している場面を見ていない部下に当事者意識を芽生えさせるには、上司自らがその「見本」を見せるということが最も効果的です。
非常に手間がかかることですが、圧倒的な実績を見せつけられた若手技術者は、その高いプライドゆえ、
「この人についていけば間違いない」
という認識を持つようになり、上司のいうことをきくようになるでしょう。
べき論をかざす若手技術者に当事者意識を芽生えさせるにはまず、自らが見本を見せる。
ぜひ実践してみてください。