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若手技術者を《あるべき姿》に導く技術者指導者層の姿勢

若手技術者を《あるべき姿》に導く技術者指導者層の姿勢

技術者を育成してあるべき姿に導くには個々人の個性を考慮しながら進める必要のある、非常に慎重さの求められる難しい仕事です。

この仕事を少しでも進めやすくするためには、「技術者指導者層がその見本を見せる」ということによって育まれる「信頼関係」こそが重要です。

この考え方、実は昔から親や上司のあるべき姿として述べられてきています。

 

沢庵不動智神妙録にかかれているものを引用してみます。

ここでいう沢庵は、沢庵宗彭のことで、戦国末期に生まれ仏教を追求し、仏法実現に生き抜いた人物として知られています。

日本兵法の確立にも影響を与えたその考え方の一つに、「親がまず身を正せ」という文言があります。

 

沢庵の原文には、親のみ正しからずして、子の悪しきをせむること逆なりと書かれています。

子供の悪事を叱るのであれば、まず親が正しいことをしなければならない。むしろ、親が正しいことしていれば、子供もそれを真似るようになる、ということの意味のようです。

これは技術者育成についてもいえることで、若手技術者にそうなってほしい、と思うのであれば自らが実践してその姿勢を示すことが若手技術者にとって何よりの勉強になります。

 

例えば、若手技術者から質問を受けて技術者指導者層の方がわからなかった場合。

「とりあえず、自分で調べておけ」ということもできますが、「これについては私の方で調べておく。わかったら議論しよう」といえば、若手技術者も後に自主的に調べるということを実践するようになります。

もし、技術者指導者層の方々が見本を見せても変わらないようであれば、その時に「自分で調べてみなさい」といえばいいのです。

 

見本を見せられている人間から言われた言葉は、非常に重いものとして相手に伝わるはずです。

改めて自分が若手技術者のあるべき姿を実践できているかどうか見直してみることも時には重要かもしれません。


技術者育成研究所所長・FRPコンサルタント。入社2~3年目までの製造業に従事する若手技術者に特化した法人向け人材育成プログラムを提供し、自ら課題を見つけそれを解決できる技術者育成サポートを行う。◎東京工業大学工学部高分子工学科卒業後、ドイツにある研究機関 Fraunhofer Institute での1年間のインターンシップを経て同大学大学院修士課程修了。その後、複数の大手メーカーにて技術者として勤務。専門外の企業に転職したときは周りの会話についていけないという苦境に陥るが、試行錯誤の末に活字を基本とした独自の思考法を確立、開発最前線で成果を積み上げたことにより最先端研究プロジェクトリーダーに昇格。また、自らの立ち直りに実践した思考法を応用した技術者育成法により、技術者人材育成に悩みを抱えていた事業部から、多くの自発的課題発見/解決型の技術者を輩出。当時評価の低かった若手技術者を事業部最年少海外駐在者として送り出すなど、技術者教育でも高い評価を得た。◎11年にわたる企業の技術者勤務の後、自らの専門性を生かし複数企業と直接顧問契約を結ぶFRPコンサルタントとして独立。川中から川下の企業の研究開発最前線での技術指導、サポートを行う中で多くの企業が技術者人材育成に苦労している実情に直面し、専門性を生かすも殺すも人材に大きく依存することを実感。さらに自らの技術者人材育成経験から技術者育成には一般的な人材育成と異なる技術者に特化した「技術者人材育成」が必要という考えに至った。その後、技術者に特化した人材育成プログラムがほとんど存在しないことに着目して「技術者人材育成研究所」を創業、FRPコンサルタントとしてFRPに関連する高い専門性の技術指導やサポートを行う一方、現場の技術者の人材育成にも精力的に取り組んでいる。◎主な著書に『CFRP~製品応用・実用化に向けた技術と実際~』(共著)など。◎Professional member of Society of Plastics Engineers( SPE; 米国プラスチック技術者協会)◎– 高分子学会(The Society of Polymer Science) 正会員◎– 繊維学会(The Society of Fiber Science/Technology)正会員◎– NPO インディペンデント・コントラクター協会(IC協会)正会員◎– 国立大学法人 福井大学 非常勤講師 http://engineer-development.jp/