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打ち合わせにおける《機密事項》の取り扱い指示について

打ち合わせにおける《機密事項》の取り扱い指示について

技術というのは機密性の高いものが多く含まれます。

これらのデータのやり取りには細心の注意を払う、ということを若手技術者にはよく教育をする必要があります。

実は若手技術者はどこまでが機密でどこから先が機密でないのか、ということについて明確な線引きができない場合がほとんどです。

 

なぜなら、彼ら彼女らはそこまでの裁量を持って仕事をやらせてもらえる立場にないからです。

社外の方々との打ち合わせを任せることは若手技術者にとって育成の柱ともなる非常に大切なOJTですが、どこまでを話していいのかどこから先は話してはいけないのかということについて、可能な限り明確な指示をしてあげることが重要です。

想定される機密に関する話について、できる限り話の展開を予想し、それぞれのケースでどこまで技術に関する話をすればいいのか、ということをシミュレートしながら若手技術者と事前に話ができれば理想的です。

 

とはいえ、なかなか想定通りに話というものは進まないもの。

そうなった時にどうすればいいのか。

若手技術者たちは必ずここで悩み、そして迷うはずです。

 

–これを話したら機密漏えいになるのではないか

そのような言葉が頭の中を駆け巡るでしょう。

この状況を乗り越えるために是非若手技術者たちにかけていただきたい言葉があります。

 

「後ほど、社内で確認してから改めて返答いたします」

という言葉を使って宿題として持って帰ってきてくれ、ということです。

 

すべての仕事を打ち合わせで完結させる必要はありません。

中には決められないものがあるので、それは社内に持ち帰ります、という選択肢を持たせるということが重要です。

これは当然できるのでは、と思う技術者指導者層の方も多いようですが、やる気のある若手ほどその場で決めたい、と思うようです。

 

その無理がたたって、不必要な機密事項を話してしまうという墓穴を掘るということもあるのです。

わかっていると思うが、確認までに。

そんな前置きで、社内に持ち帰るという選択肢について意識を持たせるようにしてください。

 

そうすれば、話の内容が機密なのかそうでないのか悩んだときは持ち帰ればいい、という思考回路が出来上がると思います。

打ち合わせの前に是非、上記のような声掛けをしてあげてください。


技術者育成研究所所長・FRPコンサルタント。入社2~3年目までの製造業に従事する若手技術者に特化した法人向け人材育成プログラムを提供し、自ら課題を見つけそれを解決できる技術者育成サポートを行う。◎東京工業大学工学部高分子工学科卒業後、ドイツにある研究機関 Fraunhofer Institute での1年間のインターンシップを経て同大学大学院修士課程修了。世界的な展示会での発明賞受賞、海外科学誌に論文を掲載させるなど研究開発最前線で業務に邁進する一方、後身の指導を通じて活字を基本とした独自の技術者人材育成法を確立。その後、技術者人材育成に悩みを抱えていた事業部から、多くの自発的課題発見/解決型の技術者を輩出した。◎11年にわたる企業の技術者勤務の後、自らの専門性を生かし複数企業と直接顧問契約を結ぶFRPコンサルタントとして独立。サポートを行う中で多くの企業が技術者人材育成に苦労している実情に直面。過去の技術者育成経験から、「一般的な人材育成」と異なる技術者に特化した「技術者人材育成」が必要と考え、「技術者人材育成研究所」を創業。FRPコンサルタントとしてFRPに関連する高い専門性の技術指導やサポートを行う一方、その受け皿となる現場の技術者の人材育成にも精力的に取り組んでいる。◎主な著書に『技術報告書 書き方の鉄則』、『CFRP~製品応用・実用化に向けた技術と実際~』(共著)など。◎Professional member of Society of Plastics Engineers( SPE; 米国プラスチック技術者協会)◎– 高分子学会(The Society of Polymer Science) 正会員◎– 繊維学会(The Society of Fiber Science/Technology)正会員◎– NPO インディペンデント・コントラクター協会(IC協会)正会員◎– 国立大学法人 福井大学 非常勤講師 http://engineer-development.jp/