ロボットの進化の最終形態はどうなる?

ロボットの進化の最終形態はどうなる?

今から20年ほど前、ホンダの二足歩行ロボット「アシモ」が世間に与えたインパクトは大きかった。

人間とほぼ同じ背格好のロボットが両足で立って歩く。ぎこちない動きで、ゆっくりとした歩みではあったが、多くの人がマンガやアニメで見た、鉄腕アトムやドラえもん、ガンダムのような人型ロボットが実現する世界を想像した。

それから日本では大学の研究室や研究機関を中心に二足歩行ロボットの研究が盛り上がったが、最近はそれも落ち着いたようだ。

 

▼地上で直立して二足歩行をする動物は、ヒトと一部の動物しかいない。猿や熊は後ろ足で立ち、二足歩行もできるが、普段は四足で歩行する。ペンギンはチョコチョコと歩く姿が可愛らしいが、基本姿勢は海の中を泳ぐ姿だ。カンガルーは直立が基本姿勢だが、移動は歩きではなく跳躍だ。

対してヒトは背筋がピンッと張った直立姿勢で、両足で歩く。両腕と手は歩行から解放され、器用に動かせる形に発達した。また胴体の上に頭部があり、大きな脳と高い知能を持つことができた。

二足歩行によって知能と手先の器用さを手に入れたが、全体の運動能力はそこそこ。そのように進化してきたのがヒトという動物だ。

 

▼ロボットはどのような姿形に進化していくのだろうか? 運動能力だけを見れば、二足歩行よりも他の形態の方が優れている。動物ではないのだから頭部に知能を持たせる必要もない。つまり効率面から見ればロボットを二足歩行にする理由はない。

しかしコミュニケーションやサービス、介護、エンタテインメント向けのロボットなど、ヒトと触れ合うケースでは別物だ。ヒトと姿が近いからこそ親身に感じられる可能性は高く、その分野ではヒト型ロボットはアリかもしれない。ヒトは動物という枠のなかで最適な姿、二足歩行になった。

しかしロボットはそうした規制の枠がなく、進化の方向は無限の可能性を秘めている。もしかしたら地球上に存在する生物とは異なる、異形のものになるかもしれない。それはそれで楽しみであり、怖くもあるが、そうなった時でもロボットはヒトがコントロールし、ヒトを手助けする機械、それ以上ではないということだけは忘れてはいけない。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。2016年5月〜「ものづくりニュース by aperza」編集長兼任。 趣味は釣りとダーツ