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トヨタが燃料電池バスを市場投入、東京で2017年春から運行開始 (陰山...

トヨタが燃料電池バスを市場投入、東京で2017年春から運行開始 (陰山遼将,[スマートジャパン])

 トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2016年10月21日、実用化に向けて走行実証を重ねてきた燃料電池バス(以下、FCバス)を、2017年初めからトヨタブランドで販売すると発表した。まずは東京都交通局が運行する路線バスとして、2台を納入する計画だ(図1)。FCバスの販売は、国内初の事例になるとしている。


図1 販売する「トヨタFCバス」 出典:トヨタ自動車

 FCバスの販売車名は「トヨタFCバス」。これまで日野自動車と共同でFCバスの開発を進めてきた経験を生かし、トヨタが開発した。日野自動車のハイブリッドバスをベースとしており、全長10525mm(ミリメートル)、全幅2490mm、全高3340mmで定員は77人だ。

 燃料電池システムは、既に一般販売している燃料電池自動車(FCV)の「MIRAI(ミライ)」向けに開発した「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」を採用している。MIRAIの場合は出力114kW(キロワット)のFCスタックを1つ搭載しているが、FCバスではこれを2つ搭載している。出力113kWの走行用モーターも2つ備える。

 MIRAIと大きく異なるのが、搭載する水素の量だ。MIRAIは2本の水素タンクを搭載している。一方、FCバスではその5倍に相当する10本のタンクを搭載した。合計600リットルの水素を、70MPa(メガパスカル)の圧力で貯蔵している。この水素と燃料電池で発電し、走行距離は約200km以上になるという。

外部給電も実現、2020年までに100台を導入

 FCバスは、非常時を想定した大容量の外部電源供給システムも搭載している。これは最高出力9kW、容量235kWh(キロワット時)の電力供給能力を備えており、災害などの停電時に、学校体育館などの避難所や家電の電源として利用できる。

 トヨタはこれまでにFCバスの実用化に向け、試作車両を利用した公道での実証を複数行ってきた。2015年1月には愛知県豊田市内の路線バスで、同年7月から東京都内で都営バスの営業所を起点とした走行実証と、江東区の「東京都環境科学研究所」で外部給電の実証を行っている(図2)。

図2 外部給電のイメージ 出典:トヨタ自動車

 トヨタは2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上のFCバスの導入を予定している。さらに2018年からは新型のFCバスによる導入拡大を目指し、新車両の開発も進めているという。

 今回、東京都交通局のFCバス導入は、国土交通省が実施している「地域交通グリーン化事業」の対象案件として採択されている。これは国土交通省が自動車運送事業者などに対して、電気自動車バス・タクシー・トラック、FCバス・タクシーなどの導入を支援する事業。FCバスの導入が採択されたのはこれが初となり、車両価格の2分の1が補助される。FCバスによる運行は、2017年3月からスタートする予定だ。


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