【中国の自動化 最新事情②】安川首鋼ロボット小形副経理に聞く

【中国の自動化 最新事情②】安川首鋼ロボット小形副経理に聞く

地産地消で現地のニーズに合わせた開発に注力
新たな溶接技術や新市場の開拓も

 安川首鋼機器人有限公司(安川首鋼ロボット有限公司)は、安川電機と中国の首鋼集団との合弁会社で、特に中国の自動車業界向けに産業用ロボットとシステムの販売・サービスを行い22年にもなる。日本の技術をベースとした中国のロボット会社として現地に溶け込んでいる。同社広東分公司の小形誠治 副総経理 技術部部長に話を聞いた。

——中国の自動化の動きはいかがですか?

 自動車産業における自動化ニーズは高く、ロボットは20%を超えて成長している。右肩上がりで良い調子だ。中国の自動車販売台数は月間で250万台あり、日系メーカーも順調に売り上げを伸ばしている。20年までは生産ラインの整備計画が決まっていて、そこを確実に取りに行くのが第一命題となっている。
 華南地区は日系メーカーの工場が多いが、当社では売り上げに占める日系メーカーの割合は15%ほど。ほとんどがローカル企業向けだ。自動車向けでは溶接ロボットが主で、10〜20kgのアーク溶接ロボット、100〜200kgのスポット溶接ロボットが売れている。

——中国市場に対応するための取り組みを教えてください

 これまでは世界と日本の需要を反映し、最大公約数が満足する優等生ロボットが多かった。しかしそれだと際立った特徴がなく、差別化が難しくなっていた。中国には常州に工場があり、アメリカにはロボット開発部隊がある。欧州ではスロベニアに生産拠点を準備中で、日本を含めた世界4極体制によって、その地域のニーズに合わせて作る地産地消ができるようになった。中国は産業の裾野が大きい。日本の経験にとらわれず、現地を大事にしたローカル開発を進め、日本にはなかった市場を開拓していく。
 中国のお客様はいろいろなところに興味を持っている。例えばEVではバッテリーが重いため、軽量化に対する関心が高く、新素材も採用されている。それに向けたレーザー溶接や摩擦撹拌溶接、アルミの自動溶接や複合材の溶接といった新しい溶接技術に関してもソリューションが固まってきている。従来の溶接の延長線上ではできなかったことを、日本から技術を導入して提案している。

——今回の展示会のデモは

 一つは、パラレルリンクロボットと天吊型の小型ロボットを組み合わせた高速ピッキング。ロボットを導入したことがない人にも一番分かりやすく、イメージがしやすいものを出品した。
 汎用ロボットに力覚センサを取り付け、ダイレクトティーチングのデモも行った。ロボット導入で最もハードルが高いのがティーチング。そこを簡単に効率化できるということを訴えた。
 また今後の需要を見据えた展示として、遠隔操作機能を組み込んだロボットでUFOキャッチャーのデモ機が好評だった。手元の操作レバーで離れたロボットを操作でき、微妙な力加減も再現できる。いずれはAIを使って熟練技術を教え込むようなことも想定している。

——今後について教えてください

 基本的にロボットはモータと減速機、アームがあれば動く。日本と中国のロボットではハードウェア的な性能差は縮まりつつある。しかしどう制御するかのソフトウェアやシステムを組む力にはまだ差があり、現時点では日本のロボットの方が一日の長がある。今後、負けないようにするためにもシステム提案やアフターサービスなど総合力で勝負していく。
 中国各地に安川電機のロボットセンターがあり、ロボットを常設展示している。アプリケーションデモやシステムを持ち込んで試運転させることもできる。溶接やバリ取りなど火が出るもの、研磨するものは、実物でやってみないとわからないものが多い、ピッキングでもワークによってはできないものもある。事前検証して検討にロボットセンターの活用を進めていく。

参考:安川電機
参考:安川首鋼機器人有限公司

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1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。2016年5月〜「ものづくりニュース by aperza」編集長兼任。 趣味は釣りとダーツ