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「データが足りない」としり込みする若手技術者たち

「データが足りない」としり込みする若手技術者たち

技術者にとって極めて重要なスキルとは

何かを解明するのにデータが必要な状況だとします。ところが手持ちのデータには限りがある。

その時に、

「足りないものを実際の試験でそろえないと何も言えない」

と100%のデータが集まるまで動かない若手技術者はいないでしょうか。

 

もちろん、すべてのデータが完璧に集めるお金と時間と人手に余裕があるのであれば問題ありませんが、いつもそのような状況にあるとは限りません。

そしてこのような苦境の時こそ技術者の本当のスキルが求められます。

 

それは、

今手元にあるデータや情報で問題や課題を解決する具体的手法を考える

という力です。

この力は技術者として極めて重要なスキルで、自ら課題を見つけ、それを解決する実行力を担うベーススキルと言っても過言ではありません。

「ベーススキル」を身につけるためには

この力は一朝一夕で身につくことではありません。

ではどうしたら若手技術者に獲得させることができるのでしょうか。

 

この育成へのアプローチとして最も基本的といえる上司の言葉は、

「君ならどう考える」

ということです。

 

これをどうしましょうか、と相談されたときに問い返してみるのです。

その時に若手技術者なりの答えが出てくると思います。

その答えについて、こうしたらより良いよ、という助言を与えるのです。

 

こうしなくてはいけない。

ではなく、

こうしたほうがいい。

 

というBestではなくBetterの答えを与えるのです。

 

このようにして、

「大まかな道筋は自分で考える」

という癖をつけさせるのです。

 

これを繰り返すうち、

「今手元にあるデータや情報で最適かつ具体的な解決策は何か」

と考えられるようになってきます。

 

100%準備できていないとしても、今ある手持ちのデータや情報でどう動けばいいのか。

そのような思考回路を若手技術者の頭の中に早い段階で構築するためにも、

「あなたならどう考える?」

という問いかけを日々行い、育成を心がけてください。


東京工業大学工学部高分子工学科(有機化学)卒業後、ドイツ研究機関 Frauhofer Institute にて1年間医療材料研究のインターンを終了し、東京工業大学大学院修士課程(高分子応用研究)修了。学術論文一覧は研究者向けSNSである ResearchGate にて公開中。◎大手機械メーカーの航空機エンジン部門にて、10年以上にわたりFRPに関連する業務に従事。社内試作から始まったCFRP航空機エンジン部品の設計、認定開発、海外量産工場立ち上げを完了。本部品は先進性が高いという評価を得て、世界的FRP展示会 JEC にてInnovation award受賞。新規FRP材料研究においては、特許や海外科学誌への論文投稿掲載を推進し、Polymer Journal、Polymer Compositesをはじめとした科学誌に掲載。◎主な著書に『CFRP~製品応用・実用化に向けた技術と実際~』(共著)など。◎Professional member of Society of Plastics Engineers( SPE; 米国プラスチック技術者協会)◎– 高分子学会(The Society of Polymer Science) 正会員◎– 繊維学会(The Society of Fiber Science/Technology)正会員◎– NPO インディペンデント・コントラクター協会(IC協会)正会員◎– 国立大学法人 福井大学 非常勤講師 http://engineer-development.jp/