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《ぶれない指導》こそすべての基礎

《ぶれない指導》こそすべての基礎

技術者の指導に関するポリシーというものは、同じものづくり企業の間でも各社各様です。

それは各企業がその企業が創業以来歩んできた道のりによって形作られたものが指導のポリシーに反映されているはずだからで、技術者の指導ポリシーについて、基本的には各社で異なっているのは問題ないと思っています。

ところが問題として、同じ企業でも技術者を指導する指導者によって若手技術者の育成ポリシーが異なっているケースがあります。

 

例えばある仕事について、直属の先輩にある指導をされたとします。

その上司の課長は別のことを言う。

さらにその上の部長はまた別のことを言う。

 

結局上下関係のため、部長のいうことがすべて正義となり、課長や先輩の言ったことはあまり意味がない。

 

追い打ちをかけるように先輩は、

「課長は部長の言いなりで、自分の言うことを聞いてくれない」

という愚痴を聞かされてしまっては、若手技術者のモチベーションは急降下すると思います。

 

モチベーション低下の主な理由として、人によって言うことが違うという統一感のない指導ポリシーがあげられます。

このようなことがないよう、若手技術者の指導ポリシーは統一しておくことが望まれます。

指導ポリシーを統一するには

具体的にはどうしたらいいのでしょうか。

まず大切なことは、指導方針を明文化しておくことです。

抽象的なスローガンでは仕方がないので、できる限り具体的な指導方針を掲げることが望ましいです。

 

そしてもう一つ。

それは若手技術者の人材育成を担う部署や専門の人材を用意することです。

なかなか人材育成専門の人材というのは難しいかもしれませんが、好ましくは実戦経験を積んだ技術者を教育専任に設定する必要があります。

 

この指導役として注目できる方々として、引退した技術者がいます。

もし引退した技術者たちが、自分が元々勤めていた企業の指導役になることができれば、社内の事情もわかっており指導がよりやりやすくなるかもしれません。

このようなシニアという人材活用も対策の一つといえるかもしれません。

 

明文化と教育専任者の設定。

若手技術者育成システム構築の一案としてご検討いただければ幸いです。


技術者育成研究所所長・FRPコンサルタント。入社2~3年目までの製造業に従事する若手技術者に特化した法人向け人材育成プログラムを提供し、自ら課題を見つけそれを解決できる技術者育成サポートを行う。◎東京工業大学工学部高分子工学科卒業後、ドイツにある研究機関 Fraunhofer Institute での1年間のインターンシップを経て同大学大学院修士課程修了。世界的な展示会での発明賞受賞、海外科学誌に論文を掲載させるなど研究開発最前線で業務に邁進する一方、後身の指導を通じて活字を基本とした独自の技術者人材育成法を確立。その後、技術者人材育成に悩みを抱えていた事業部から、多くの自発的課題発見/解決型の技術者を輩出した。◎11年にわたる企業の技術者勤務の後、自らの専門性を生かし複数企業と直接顧問契約を結ぶFRPコンサルタントとして独立。サポートを行う中で多くの企業が技術者人材育成に苦労している実情に直面。過去の技術者育成経験から、「一般的な人材育成」と異なる技術者に特化した「技術者人材育成」が必要と考え、「技術者人材育成研究所」を創業。FRPコンサルタントとしてFRPに関連する高い専門性の技術指導やサポートを行う一方、その受け皿となる現場の技術者の人材育成にも精力的に取り組んでいる。◎主な著書に『技術報告書 書き方の鉄則』、『CFRP~製品応用・実用化に向けた技術と実際~』(共著)など。◎Professional member of Society of Plastics Engineers( SPE; 米国プラスチック技術者協会)◎– 高分子学会(The Society of Polymer Science) 正会員◎– 繊維学会(The Society of Fiber Science/Technology)正会員◎– NPO インディペンデント・コントラクター協会(IC協会)正会員◎– 国立大学法人 福井大学 非常勤講師 http://engineer-development.jp/