TIS、明電舎の調達業務の一元管理ポータルをクラウド環境で構築
TISインテックグループのTIS(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:桑野徹)と、NTTデータイントラマート(本社:東京都港区、代表取締役社長:中山義人)は、明電舎の取引先企業(サプライヤ)との調達業務を一元管理する「サプライヤポータル」を、イントラマート社の商用フレームワーク製品「intra-mart」を開発基盤とするTISのソリューション「FAST購買」を活用しクラウド環境で構築した。
2016年7月に稼動を開始した明電舎の「サプライヤポータル」は、インターネット接続環境を持つサプライヤ約1700社と、それに対応する4地区8工場の部品購入を担当する明電舎資材部門の約90名が利用している。
新環境では、これまで郵送で行っていた設計図面などのやり取りが電子ファイルをダウンロードする方式になり、これまで電話・メール・FAXを利用していた明電舎資材部門とサプライヤの連絡方法も「サプライヤポータル」に一元化された。
これにより、郵送では最短でも3日を要した図面などのやり取りの大幅なスピード化、および年間で数千万円かかっていた郵送費の削減と、担当ごとに属人化していたサプライヤとの調達プロセスの透明化を実現した。
同プロジェクトでは、購買、調達業務に必要な機能を網羅し、多数のサプライヤをつなぐポータル機能を持つTISのソリューション「FAST購買」を利用して、クラウドサービス「TISENTERPRISEONDEMANDService」上で「サプライヤポータル」を構築した。
「intra-mart」を開発基盤とする「FAST購買」の選択
電力会社や鉄道会社に向けた発電・変電設備など、社会・産業インフラとなる重電機器を手がける明電舎では、機器の生産は国内4カ所の8つの工場で、必要な部品をサプライヤ約2,000社から発注先を選び調達を行っている。
しかし、既存のWeb EDIはテキスト情報の送信機能しか持たないため、調達業務において以下のような課題があった。
調達業務の課題
- サプライヤへ設計図面等を紙で渡すため、 郵送に多大な時間・コストが発生していた
- 調達プロセスの連絡が電話・メール・FAXのため、 属人化し情報共有に障壁があった
そこで明電舎では、上記の課題を解決する「サプライヤポータル」の構築を検討し、以下の点を評価して「intra-mart」を開発基盤とする「FAST購買」を活用したTISの提案を選択した。
「intra-mart」を開発基盤とする「FAST購買」の選択理由
- 「FAST購買」の購買、調達業務に関する機能の網羅性とポータル機能の充実度
- 開発基盤「intra-mart」のカスタマイズ可能な柔軟性
- 明電舎の基幹システムをTISのデータセンターで運用している実績と信頼感
- インフラにクラウドサービス「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」を活用することで、TISデータセンター内にある基幹システムと連携が容易な点
今後の展開
明電舎では、今後は購買情報を分析する機能を拡張していくことで“適正価格のベンチマークを得る精度を高める”“サプライヤの納期や品質などの評価の高度化”などの戦略的なサプライヤマネジメントに「サプライヤポータル」を活用していく予定。
TISでは、今回の事例のようなバイヤとサプライヤを繋ぎ、サプライヤマネジメントに貢献する購買システム構築の支援を、製造業を中心とした企業に展開していく。
イントラマート社では、本事例のサプライヤポータルをはじめ、お客様・取引先までを含めた業務プロセス・ワークフローの確立によって、業務の効率化・お客様満足度向上に貢献するソリューションを今後も提供していく。
明電舎 資材グループ 企画管理課長 小林 幹成氏は
「構築した「サプライヤポータル」は、既にグループ内の数社が購買業務に導入する予定で、 グループ全体の成長への寄与も期待しています。また、分析機能の強化のためのBIツールとの連携や、社内の他の業務システムとの連携に向けては、カスタマイズの柔軟性を備えた「intra-mart」を開発基盤にしている「FAST購買」の特長が活かせると考えています。戦略的なサプライヤマネジメントという目標達成に向けて、今後も継続的な支援をお願いしたいと思っています」
と話している。
参考:TIS導入事例、株式会社明電舎様 紙に依存する部品調達をサプライヤポータルへ集約し業務プロセスの「見える化」を実現