OKI、電源・通信工事不要のモニタリングシステム『ゼロエナジーゲートウェイ』を販売開始
沖電機工業株式会社は2021年3月16日、920MHz帯マルチホップ無線『SmartHop®』(※1)とLTEによる無線通信に対応したIoTゲートウェイ『ゼロエナジーゲートウェイ』の販売を開始した。同製品はシステム導入時の電源工事、および通信配線工事が不要。工事費用の削減(当社比1/5)と工期の短縮により、インフラモニタリングの導入を加速し、社会インフラの維持管理の高度化、効率化を実現するとのこと。
※1 920MHz帯マルチホップ無線『SmartHop』
電波到達性の高い920MHz帯無線とマルチホップ中継伝送に対応したOKI製品のシリーズ名称。多様なセンサーや機器を無線ネットワークに手軽に接続することができる、IoT(Internet of Things)に適したソリューションとして、パートナー各社の120機種以上の商品に採用が進んでいる。
開発の背景
高度経済成長期に建設された橋りょうなどのインフラ構造物は老朽化が進み、適切な維持管理が不可欠となっているが、人手による点検費用の増大や技術者不足が課題となり、センサーを用いたモニタリングシステムの導入が進んでいる。このインフラモニタリングシステムは、激甚化する自然災害による河川氾濫などを監視する防災・減災の対策としても有効だが、導入にあたっては計測器やゲートウェイの設置に電源や通信回線などの敷設工事が伴い、機器設置の手間とコストが問題となっていた。
製品概要
『ゼロエナジーゲートウェイ』は、920MHz帯マルチホップ無線『SmartHop』とLTEによる無線通信機能を備えたIoTゲートウェイであり、ソーラー発電駆動に対応することで、屋外の外部電源が無い環境でも容易に導入が可能。また、『ゼロエナジーゲートウェイ』と、同時に発売する、対象物の加速度・傾き・固有振動数(※2)のデータを収集可能な電池駆動の『無線加速度センサーユニット』(※3)を接続し、『SmartHop』で相互にデータを中継・伝送することにより、広範囲のモニタリングシステムを柔軟に構築することができる。
※2 固有振動数
対象となる物体が振動するときの、その物体特有の振動数のこと。
※3 無線加速度センサーユニット
3軸加速度センサーを内蔵し、920MHz帯マルチホップ無線『SmartHop』に対応した電池駆動のセンサー装置。監視する対象物にかかる加速度、傾きに加えて、固有振動数を計測する機能を追加した新型を本件と同時に発売する。
販売計画
- 提供価格:個別見積もり
- 販売開始:2021年3月~
- 販売目標:20億円(~2023年)
ラインアップ
同製品のラインアップは、センサー類と『SmartHop』で接続して橋りょうなどさまざまなインフラ構造物のモニタリングを実現するゲートウェイ単体型、河川監視で多数実績のある超音波水位計との一体型、水圧式水位計との一体型の計3種類。
ゼロエナジーゲートウェイ単体型
ゼロエナジーゲートウェイ水圧式水位計付
ゼロエナジーゲートウェイ超音波水位計付
製品の特長
- 920MHz帯マルチホップ無線の親機として複数の子機を収容し、LTE網と接続するゲートウェイ機能に対応(設定変更で920MHz帯マルチホップ無線の子機としても動作可能)
- ソーラー発電駆動により、外部電源が不要
- 市場実績の高い超音波水位計、水圧式水位計の一体型をラインアップ
- 無線加速度センサーユニットと連携し、傾きや固有振動数の計測が可能