MS-850ブレーキ修理

MS-850ブレーキ修理

お盆休みにMS-850(汎用旋盤)のブレーキの修理をしていました(取り掛かりはもう少し前です)。

症状は、「ブレーキパッドが引きずる」です。前回修理してから徐々に悪化して来ました。

前回の時、メーカーさんに聞くと部品はもう入らなく、ブレーキキャリパーごと交換になるらしいので、無難な方法を選択し使っていました。

 

あれから1年と3ヶ月しか経ってません。もう少し持ってほしかったのですが。

今回も前回同様修理するか、だいぶ迷いました。このままでも使えますし、ましてもしもの時は、キャリパーごと交換ですので。

しかし、ギヤーを入れたままチャックを手で回すのが重いのと、私の場合、主軸モーターをインバーター駆動して「ジョギング運転」を利用して、正転・逆転の微動回転をトグルスイッチで動作してますので、それも回りづらくなって来ました。インバーター駆動は低回転のトルクが低いです。

 

思い切ってシリンダーとピストンをばらすことにしました。

今回は、ブレーキディスクの触れも修正したいので、マスターシリンダーは機械にそのまま残し、ブレーキキャリパーのとラインをはずしました。

次にキャリパーをブラケットからはずします。

二つの部品とも、外側は鋳物そのままですので、組み立てる時に同じ位置になるようにちょっとした工夫をし再現性が良いようにしました。

シリンダーとピストンをばらした画像です。

そうひどい状態ではありませんが、やはり固着していました。

この機械は中古で買ってからでも30年近くなりますので、仕方ないですね。

きれいに磨けば使えそうなのでそのまま使うことにしました。

さて、組み立てようと思いましたが、シリンダーについているピンがピストンに付いている穴に入りません。

下の画像のように組み立てるのですが、

寸法を測ってみると、ピンがφ3.30で、ピストンの穴にはφ3.22は入りますがφ3.25は入りません。

抜く時は、油圧の配管のところにエヤーを吹くと、スムーズに抜けました。

そもそもこのピンは何のためにあるのかも解りませんので、お手上げです。

 

ピンは根元を中心にぐらぐら融通が効くようになってます。また、ピストンにあいている穴には、これまたぐらぐらと融通の効くブッシュが入ってます。

お盆で、キャリパーのメーカもお休みですので、ここで中断です。

下手すればキャリパーごと交換ですので、ここは慎重にします。ブレーキのことはあまり詳しくはありませんので……。

 

~基本を大切にした技術伝承~汎用旋盤職人養成


1963年大阪生まれ。西尾鉄工所代表。旋盤師、伝統技術継承者◎祖父の代から80年続く大阪八尾市の町工場の三代目。「職人道」を極めた先代のもとで、13才から弟子入りし、昔ながらの職人技を叩き込まれ、家業を一人前にこなした。工業高校卒業後、中堅工作機械メーカーに就職。工作機械(機械部品を産み出す母なる機械。マザーマシンとも呼ばれる)の構造を隈なく学び、23才で独立。最先端コンピュータで制御された「NC旋盤」に対し、職人の「技」と「勘」が頼りの「汎用旋盤」(職人の手で動かす旋盤)をこよなく愛し、現在に至るまで、その加工にこだわり続けてきた。数少ない伝統技術継承者の一人。◎若い世代の人材不足、技術伝承に危機感を持ち、2016年「汎用旋盤職人養成講座」をスタート。教材用に独自開発した「汎用フライス盤」は、設計、加工、組立・調整をすべてひとりでやり遂げ、自身の総合技術力の賜物となった。最近、営業下手な職人の殻を破り、SNSを駆使して「基礎の手技」の重要性を次世代へと訴える。また、異業種の職人を対象に、「いぶし銀の会」を立ち上げ、オリジナル製品の企画、開発など「未来の職人像」を探っている。コンピューター依存が加速する製造業の未来を受け入れつつも、「機械の前に人間ありき」と、代々受け継がれてきた職人の技と精神性の伝承に力を注いでいる。◎2014年「八尾市ものづくり達人懸賞」受賞、2015年日刊工業新聞「マイスターに聞く」掲載、「なにわの名工」受賞◎西尾鉄工所ホームページhttps://nishio-tekkousho.jimdo.com/ 西尾鉄工所技術伝承 https://nishio-tekkousyo.jimdo.com/