Laap、SPE(シングルペアイーサネット)技術の活用で、ケーブル配線...

Laap、SPE(シングルペアイーサネット)技術の活用で、ケーブル配線削減のソリューションを提供

Lapp Japan株式会社は、フィールドレベルでの連続リアルタイムデータ伝送が実現可能な最新データ伝送テクノロジー「SPE(シングルペアイーサネット)Industrial Partner Networkソリューション」の提供を開始した。

Laap、SPE(シングルペアイーサネット)技術の活用で、ケーブル配線削減のソリューションを提供

開発の背景

ケーブルのスペックについては、SPE Industrial Partner Networkで固まっているが、コネクタ規格標準に関しては、現在のところ標準規格が決定されていない。よって、新しいIIOT技術を迅速に導入するには、統一された伝送規格が急がれている。

LappドイツのIndustrial Communication製品開発責任者 Ralf Moebus氏 コメント

「これまで何十年もの間、フィールドバスはファクトリーオートメーションなどの通信に使用されてきました。しかし、近年、限界に近づいてきており、最新のスパートファクトリーの通信要件を満たすことができなくなってきました。これに対するソリューションは、IPベースネットワークであり、主に銅導体を持つイーサネットケーブル、場合によってはWifiや光ファイバーを介して工場に使用されています。この技術は、PCとサーバ間の通信など、ネットワーク構築で既に多く利用されています。それのメリットとしては、イーサネットでネットワーク構築を行えば、トポロジーをより柔軟に構成できます。データ転送速度が遥かに高いため、同じネットワークを介して様々なサービスを運用できます。関連技術の標準化により、ネットワーク遷移が減少し、センサーレベルからフィールドレベル、さらには、在庫管理システムやクラウドまでの統合通信システムが構成できます。その結果、より簡単に計画管理や保守が可能となります。統合されたIPベースのネットワークなしでは、インダストリー4.0・スマートファクトリーの実装は不可能です。データは常にいかなる場所からでも利用可能である必要があります。」

イーサネットの課題

フィールドバスからイーサネットへの置換えは、特に配線技術において新たな課題をもたらした。例えば「PROFIBUS」はバスケーブルで1ペア線だったが、「PROFINET」は100Mbit/sイーサネットに2ペア線が必要となる。また一部のアプリケーションでは、ギガビットイーサネットがすでに工場で使用されており、4ペア線が必要となる。つまり、フィールドバスと比べ、必要な現場配線工数、誤配線する可能性が増えてしまう。加えて、2ペア線ケーブルよりも4ペア線ケーブルの方がコストが高い。

上記がイーサネットがセンサーレベル(センサー・アクチュエータ)に至るまで普及しなかった理由である。代わりに、素早く簡単に配線できるソリューションが生き残る結果となった。ただし上位レベルのイーサネットに接続するには、追加のトランスレータ、またはゲートウェイが必要となる。これには専門知識が必要なだけでなく、システム設計・配線作業、およびケーブルコストも増加するといった課題があった。

SPEの可能性

SPEでは上記のような影響を受けることはなく、配線工数も削減できるため、多くのメリットがある。
その名前の通り、シングルペア線を介したイーサネットベース通信を実現可能。2ペアや4ペアからシングルペア(1ペア)に削減できるため、産業オートメーション技術分野でも注目を浴びている。コネクタは現場配線することも多いため、配線工数や誤配線を大幅に削減、またケーブル配線に必要なスペースや部材コストも削減できる。さらにSPEはいくつもの国際標準に準じている。

IEEE規格

産業関連であれば、以下3つのIEEE規格がさまざまなアプリケーション用に定義されている。

IEEE 802.3 bp規格の定義

シールドケーブルの場合=最大距離40m
非シールドケーブルの場合=最大距離15m
上記距離を1 Gbit/sで通信する物理層

ファクトリーオートメーションで考えられるアプリケーションでは、制御盤内のギガビット通信デバイス、またはギガビットカメラなどの高データレートのセンサーがある。

IEEE 802.3 bw規格の定義

シールドケーブルの場合=最大距離40m
非シールドケーブルの場合=最大距離15m
上記距離を100 Mbit/sで使用可能。

特に距離が短いため、制御盤内のデバイスを接続する場合にも役立つ。現在100 Mbit/sのPROFINET、ETHERNET/IP、またはその他インターフェースのあるPLC、ドライブ、またはスイッチも含まれる。

IEEE 802.3 cg規格の定義

SPEが組み込まれたIoT向けの通信規格。802.3 cgでは、従来のフィールドバスと同じケーブル長が可能となる。

SPE=最大1000km
※従来、イーサネット=最大100m

IEEE 802.3 cg規格では、ファクトリーオートメーションなど産業用で使用されるデバイス・コンポーネントには十分な10 Mbit/sの伝送速度を維持できる。長距離配線が可能になり、この技術はセンサー・アクチュエータ、フィールド、システムのアプリケーション、つまり、ネットワーク全体をシームレスに統合するのに最適。
この規格のもう1つの特徴は、マルチドロップと呼ばれる機能で、システムの分岐イーサネット接続に非常にメリットがある。マルチドロップより、分岐ライン、つまりマスターラインからの物理的な分岐ラインを作成できる。通常スイッチは必要なく、Tコネクタでカバーできる。これにより、費用対効果の高いイーサネット接続を現場で実現可能。

ケーブル配線工数の削減

SPEは、デバイス機器への電力供給も可能。Power over Dataline(PoDI)を使用すると、現在のPower over Ethernet(PoE)と同様に、データネットワークケーブルを介して電力供給ができる。これにより、ケーブル配線工数を削減可能。最大50Wまでの電力要件のデバイス機器(センサーなど)であれば、電力供給のためのケーブルを追加する必要はない。

ここに記載されている使用方法は、SPEがもたらすメリットのほんの数例に過ぎない。発展性のあるアプリケーションについては、現在も引き続き模索されている。ただしアプリケーション固有のネットワークインテグレーション、及び配線ガイドラインは作成する必要がある。ガイドライン作成は、「PROFINET」や「ODVA for ETHERNET/IP」などのユーザー組織を含め開始され、Lappはこれに積極的に関わっている。現在、「ISO/IEC 11801」や「EN 50173」などのSPEケーブル配線のため、その他重要な標準が開発中。Lappは初期段階でケーブルを開発し始めた立場として、SPEインフラにおける完全なソリューションを提供する。

ETHERLINE T1製品シリーズ

産業用機械及びシステムで使用できるSPEケーブルがリリースされる。

【開発中】ETHERLINE T1 FD P

ギガビット用シールド付きAWG26ケーブルで、ケーブルキャリア等可動ケーブルバージョンとして使用できる。

【開発中】ETHERLINE T1 FLEX

移動用のAWG22ケーブルで、100Mbit及びギガビットに適する。

【開発中】ETHERLINE T1 P FLEX

AWG18ケーブルで、10 Mbit/s及び1000mの距離向け。

6つのコネクタインターフェイスをもつ標準

マーケットに広く浸透するには、標準化された統一のコネクタが必須となる。SPE用コネクタはIEC 63171規格にて定義されている。この規格には、異なるコネクタインターフェイスが6つある。IEC 61171-6コネクタは、市場でのポジションを確立できる可能性がある。また、SPE Industrial Partner NetworkがIEC 61171-6コネクタを普及している。そこでは現在、コネクタインターフェイスに関するさまざまな設計が特定のアプリケーション向けに開発されている。制御盤内のIP20エリアには、現在のRJ45のロックタブ機構と似たコネクタが使用されている。M8及びM12の原理にも基づいたコネクタも、IP67エリアの制御盤外での使用向けに現在開発中。将来的には、1つのコネクタにデータ及び電力供給ができ、各コンタクトを介して送信されるハイブリッド版も計画中とのこと。これにより、PoDIよりも多くの電力を必要とする機器にも電力供給できるようになる。

今後の新技術

SPEは、現在マーケットへ浸透する準備ができている重要な新技術であり、より経済的で統合された産業用イーサネットネットワークが実現可能。SPEにより、従来はネットワーク化されていなかったスマートコンポーネントをネットワークに統合することができるようになる。そのため、IoT、スマートファクトリー、およびインダストリー4.0に向けて、非常に重要な技術といえる。


ものづくりニュース編集部です。日本の製造業、ものづくりの活性化を目指し、日々がんばっています。