JR九州の改善は素晴らしい!|元トヨタマンの目

JR九州の改善は素晴らしい!|元トヨタマンの目

JR北九州ワゴンメニュー①
「あれ?座席の裏の網の中に何か入っているぞ。何だろう……」

 

JR北九州ワゴンメニュー②
「ああ、これは車内のワゴン販売のメニューじゃないか」

 

JR北九州ワゴンメニュー③
「あっ!裏にも書いてある。いろんな種類の物を売っているんだなあ」

 

「お茶に、弁当に、おつまみに、土産に、柿の種に、酢昆布に、竹輪に、甘栗に……、あっ、すごい!こんな鉄道グッズや帽子まであるんだ……」

「今回の仕事も厳しいから、せめて移動の時間ぐらい旅気分でリラックス、リラックス。
ようーーーし、いっぱい買うことにしよう。
今チェックした物を全部買っちゃおう」

「早く、車内販売こないかなあ(キョロ、キョロ)」

「ああそうだ。金額もすべて分かるから、お金を用意しておこうっと。
ええと・・・携帯の電卓機能で足し算すると、2,450円だ。
ああ、ちょうどあるぞ」

ということで、リードタイムが有り過ぎてついついいっぱい買ってしまった。

 

<この改善のメリットのまとめ>
①お客に「事前に」「ワゴン内のすべての商品」を知らせることができる。
(従来はお客がワゴン中身をのぞきこんで品定めをするため時間もかかるし、反対側の商品や、冷蔵しているアイスクリームや竹輪などの商品は分からない)

②お客が金額も事前に分かり、準備できるため、接客時間が短縮できる。

③お客に時間を十分与えることで購買意欲を掻き立てることができる。

③従来、売り子さんが取り扱い商品を口で言いながらワゴンを押して来るが、口で言う必要がなくなる。

 

帰路、JR西日本とJR東海の売り子さんに、買ったついでに、このJR九州の「改善」を教えてあげた。

そうしたら、「上司に提案してみます」とのことだった。

しかし収益条件が悪く必死な取り組みをしているように思われるJR九州と違って、この2社は大動脈をつなぐだけで、何もしなくても儲かる会社だから、きっと行動は起さないだろうな。


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。