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IoTで新たに日米連携、日独米の協力体制構築へ (三島一孝,[MONO...

2016/11/1 IT media

IoTで新たに日米連携、日独米の協力体制構築へ (三島一孝,[MONOist])

 日本の「IoT推進コンソーシアム」は2016年10月3日、米国の「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)」と「OpenFog Consortium(オープンフォグコンソーシアム)」と提携することで覚書を結んだ。既に協力体制構築を進めているドイツとの関係も含め、日独米の先進団体が連携し、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)の価値実現に向けて取り組みを進めていく方針だ。

 IoT推進コンソーシアムは、2015年10月に「『日本再興戦略』改訂 2015−未来への投資・生産性革命−」に基づいて設立。経済産業省と総務省が協力するとともに、産官学が参画し、内外のIoT関連の投資を呼び込み、グローバル経済の中で関連産業が存在感を発揮できるよう活動していくことを目指している※)

※)関連記事:産官学が参画・連携するIoT推進コンソーシアムを設立

IICとの連携で実現する相互運用性

 今回、提携を発表したIICは、米国のAT&T、シスコ、GE、インテル、IBMの5社が設立したIoTの産業実装を目的とした団体である。米国が中心ではあるが、基本的にはオープンでグローバルな団体であり、全世界の30カ国から250社以上の参加があるという※)

※)関連記事:「ソニーも最初は町工場だった」IoT革新は中小製造業が起こす

 提携に当たって、IoT推進コンソーシアムの会長である村井純氏(慶応義塾大学環境情報学部長兼教授)は「IoTはあらゆる産業がテクノロジーによって大きく変革していく大きな動きである。その中で大事なのは『つながり』であり、それを実現するためにはインターオペラビリティ(相互運用性)が重要である。こうした相互運用性を実現するために、IICとIoT推進コンソーシアムの連携は大きな出発点だ」と述べている。

 一方で、IICのエグゼクティブディレクターであるリチャード・マーク・ソーレイ(Richard Mark Soley)氏(OMG会長兼CEO)は「IoTによりあらゆる産業が破壊的に変革する。エコシステムを実現するのに、1つの国や1つの企業、1つの政府などにこだわっていては成し遂げられない。こうしたものを越えて協力していくことが重要だ」と述べている。

連携の覚書に調印したIoT推進コンソーシアムの村井氏(左)とIICのソーレイ氏(右)

IoT時代の正しい情報処理の在り方を目指すオープンフォグコンソーシアム

 一方、オープンフォグコンソーシアムは、2015年11月に英国のARM、米国のDell(デル)、Microsoft(マイクロソフト)、Cisco Systems(シスコシステムズ)、Intel(インテル)、プリンストン大学が創立メンバーとなって設立したFog Computing(フォグコンピューティング)の推進団体である。

 フォグコンピューティングとは、クラウド(雲)コンピューティングをより現場(地面)に近い部分で使うという発想から、「地面に近い雲=霧(フォグ)」ということで名付けられたコンセプトである。IoT(Internet of Things、モノのインターネット)の活用などで現場のデータ取得が容易になる。一方で「これらの処理をどこで行うのか」という議論が生まれ、クラウドに送るのではなくデータを得る現場の末端でその都度処理するという「エッジコンピューティング」という考え方が生まれた。この、クラウドとエッジ(現場)の間で処理する機能を作るというのが「フォグコンピューティング」の考えだ。

 同団体の初の地域委員会として「Japan Regional Committee」が2016年4月に立ち上がり、今回新たにIoT推進コンソーシアムとの連携を発表した※)

※)関連記事:“地に足の着いた雲”を実現する、「オープンフォグ」日本組織が始動

 村井氏は「IoTはデバイスやデータを組み合わせて価値を実現していくもの。こうしたデータの処理をクラウドとエッジの間の環境で実現し、これらの標準化なども推進しているオープンフォグコンソーシアムとの提携は、新たな仕組みを実現する出発点となるもの」と述べている。

 一方で、オープンフォグコンソーシアム 代表(プレジデント)でインテルのチーフストラテジストであるジェフ・フェダーズ(Jeff Fedders)氏は「オープンフォグコンソーシアムは設立当初からグローバルを目指した組織だったが、その最初の地域委員会として日本組織が発足。IoTの変革はOT(制御技術)とIT(情報技術)の融合が大事だといわれているが、オープンフォグコンソーシアムではOTやITとともに5Gをはじめとする通信技術も合わせてともに変革を目指すことが特徴である」と述べている。

村井氏(左)と、オープンフォグコンソーシアムのフェダー氏(右)

日独米の多重的な連携へ

 IICでは既に、ドイツのインダストリー4.0推進組織である「プラットフォームインダストリー4.0」などと標準化などにおいて連携していく方針を示している。一方で、プラットフォームインダストリー4.0は、日本の経産省が関わるロボット革命イニシアティブ協議会とも2016年4月に連携する覚書を交わしており、今回IoT推進コンソーシアムとの連携が実現したことで、日米独の連携関係が生まれることになる。

 ただ、実際にはまだこれらの連携による具体的な活動については、まだ定まっておらず、今後の話し合いで活動の内容を決めていくとしている。


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