HDMIデバイスの17年度出荷 9億台へ。累計で70億台に

HDMIデバイスの17年度出荷 9億台へ。累計で70億台に

HDMI Licensing Administrator,Inc.(HDMI LA)は、広い範囲の製品カテゴリーを代表する約1,800社のHDMIライセンス企業が2017年にほぼ9億のHDMI対応製品を出荷し、インストールベースを含めると総累計数で70億デバイス数に達したことをCESの会場で発表しました。

最近リリースされたHDMI2.1規格は、プレミアムHDMIケーブルの世界規模の普及と新しいHDMI対応製品カテゴリーの創出をもたらすと共に、新たな製品のイノベーションを加速させ、よりエキサイティングなユーザー体験を提供するものです。

HDMILAの社長、ロブ・トビアスは
「適切なコンテンツが提供された、目に鮮やかな4Kの超高解像度テレビによるハイダイナミックレンジ(HDR)画像はほんの数年前までは珍しいものでしたが、現在では広範囲に利用できるようになりました。今回、HDMI2.1規格の発表およびHDMI対応のVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、ドローンカメラや車載用カテゴリーの登場により、HDMI技術は新たなユーザー層と販売領域の拡大や、将来の機能進化を可能にします」
と話しています。

CESにてHDMI2.1規格対応のイノベーションを展示

CESのHDMILAブースでは、ダイナミックHDR、eARC、高帯域ビデオ、超高速ケーブルなどHDMI2.1の機能のデモンストレーションを実施。HDMIフォーラムの会長を務めるソニー・エレクトロニクスのロバート・ブランチャード氏は以下のように述べています。

「2017年11月28日にリリースされたHDMI2.1規格の開発についての発表は我々テクニカルワーキンググループにとって偉大な進歩といえるでしょう。そして、我々92のメンバー各社は、高いパフォーマンスへの要求に応える機能と性能を求めて開発を続けています」

■HDMI2.1規格の機能
8K60Hzおよび4K120Hzを含み10Kまで対応可能な、より高い解像度とより速いリフレッシュレートをサポートします。

ダイナミックHDRサポートは、動画のすべての瞬間で(シーンごと、あるいはフレームごとに)深度、ディテール、明るさ、コントラスト、幅広い色域が最適に表示されることを確実にします。
 
超高速HDMIケーブルは、非圧縮HDMI規格バージョン2.1機能サポートに関して48Gの帯域幅をサポートし、また、電磁妨害(EMI)も低減されています。

eARCは、接続性を単純化し、最高品質の最新のオーディオフォーマットをサポートして、オーディオデバイスと今後予定されるHDMI2.1製品との互換性を確実なものにします。

強化されたリフレッシュレート機能は、よりスムーズでシームレスなパフォーマンスと以下の機能を確実なものにします。
・可変リフレッシュレート(VRR)はラグやスタッター、フレームティアリングを低減またはなくし、よりスムーズでディテールの優れたゲームプレイを実現します。
・映画と動画用のクイックメデイアスィッチング(QMS)は、コンテンツが表示される前に生じる画面の空白時間の遅延を排除します。
・クイックフレームトランスポート(QFT)は、スムーズでタイムラグのないゲームやリアルタイムインタラクティブVR(仮想現実)での待ち時間を低減します。

自動低レイテンシモード(ALLM)は理想的なレイテンシ設定を自動的にセットし、スムーズでタイムラグのない、また連続視聴とインタラクティブな状態を可能にします。

■プレミアムHDMIケーブル認証プログラムにより世界規模の普及を実現
プレミアムHDMIケーブル認証プログラムには、現在90のHDMI規格採用企業とケーブルメーカーが参加しています。彼らは米国、アジア、及びヨーロッパの数百の主要ブランドとリセラーの代表で「ケーブルに表示されたラベルの信頼性」をよく知っており、従ってプログラム参加企業が取り扱うプレミアム高速HDMIケーブルは、今日の4K/超動画解像度製品対応への準備ができていることを確信しています。プレミアムHDMIケーブルはHDMI認可テストセンター(ATCs)でのみ検査および認証が行われています。偽造防止プレミアムHDMIケーブルラベル証明を得る為に、あらゆるモデル製造ラインのあらゆる長さのケーブルが認証される必要があります。特別なラベルやスキャンニングアプリとともに、主要ブランドの表示がHDMILAブースに展示されています。

■USB-C用HDMIオルトモードが立証する強化された機能
USB-C用HDMIオルトモードはUSB-Cコネクタを利用してHDMI対応ソースデバイスを直接HDMI対応ディスプレイに接続可能にします。HDMILAブースに展示されている製品にてHDRサポートや電源供給など強化された機能のデモンストレーションが行われました。

 

参考:HDMILicensingAdministrator,Inc.について
参考:HDMIForum,Inc.


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。