GS1合成シンボルの概要
GS1合成シンボルの概要
GS1複合シンボルは、化粧品、医薬品、医療材料、文具、貴金属等の小物流通商品のためにGS1が開発した合成シンボルであり、1999年にAIMIのITSに登録されている。
また、ISO/IEC24723として規格化された。
合成シンボル開発の背景
JANコードは、POSシステムやEOS(補充発注)システム、検品システム等、さまざまな流通システムに広く利用され、流通の合理化に大きく寄与してきた。
しかし、近年、品質に対する意識の高まりにより、賞味期限管理による顧客サービスの向上が重要な課題になってきている。
さらに食肉、水産物、青果、花卉の生鮮品は、産地、形態、部位、サイズ等により価値が変わるので、商品コードだけでは管理できない。
そこで、商品コードの他に産地コード、形態コード、部位コード等を含めた情報のバーコード化が求められている。
また、食肉や水産物では重量のバーコード化も必要である。
狂牛病事件により食の安全の確保が社会的な重要テーマになっており、製造履歴管理や販売履歴管理が求められている。
また、医療分野では、薬害エイズ事件を発端に医薬品や医療材料の製造履歴、販売履歴、使用履歴の義務化が始まっている。
これらの履歴管理は製造から消費まで一貫した管理が必要であり、このトレーサビリティの実現には、ロット番号やシリアル番号のバーコードが不可欠である。
このように流通業界は、単なる計数管理から品質管理や履歴管理へとシステムの高度化が求められており、商品識別のためのJANコードやGS1 Databarシンボルと、有効期限やロット番号のための2次元シンボルと組み合わせた合成シンボルはこれからの流通システムにとって極めて重要である。
シンボルの構成
GS1複合シンボルのベースになるバーコードは、EAN/UPC(EAN-13, EAN-8, UPC-A, UPC-E)、EAN/UPC128、およびGS1 Databar(Omni-Directional, Limited, Expanded)の3種であり、付加情報は2次元シンボルのMicro PDF417、またはPDF417で表示される。
そして、この付加される2次元シンボルのコンポジットコンポーネント(CC)によってCC-A、CC-B、CC-Cの3種類のタイプがある。
CC-A とは
CC-Aは、有効期限やロット番号等の補足情報のために作成されたコンポジットシンボルで、構造的に変化させたMicroPDF417を使用している。
データ前後の異なる段アドレスパターンが32のユニークなローテーションになっているため、MicroPDF417から自動的にシンボルパターンを識別することができる。
シンボルパターンは2列、または、3列、4列があり、最大の段数は2列の場合が12段、3列の場合が8段、4列の場合が7段と決められている。
したがって、最大情報量は2列、または3列の場合は数字47桁、4列の場合は数字56桁となる。
CC-Bとは
CC-Bは、比較的に大きな付加情報のために作成されたコンポジットシンボルで、MicroPDF417を使用している。
そして、CC-Bであることを示すために最初のシンボルキャラクタの位置にコードワード920を配置しなければならない。
MicroPDF417の最大情報量は数字338桁である。
CC-C
CC-Cは、大きな付加情報のために作成されたコンポジットシンボルで、PDF417を使用している。
そして、CC-Cであることを示すために、最初のシンボルキャラクタの位置にコードワード920を配置しなければならない。
PDF417の最大情報量は、数字2361桁である。