From AとFrom AJ取得で|ラオス縫製工場の日常

From AとFrom AJ取得で|ラオス縫製工場の日常

※当コンテンツはCBC Laoの提供でお届けいたします。

 

海外の縫製工場で欠かすことのできない書類、FormAとFormAJについて紹介します。

海外の縫製工場で縫製された商品の日本への出荷は、日本からみれば「輸入」という形をとるため、通常、関税がかかります。この関税、商品によっては10%以上かかる場合もあります。

数十円の縫製代を下げるために、日々努力している縫製工場やアパレル会社にとってはとても大きな金額です。

 

しかしラオスから日本への衣類や寝具などの輸出する場合は、Form AあるいはForm AJを取得することができれば、関税を払う必要がありません。

Form Aとは

From Aとは、一般特恵関税関税を使うための証明書のことです。

一般特恵関税は、関税を低い関税率あるいは無税とすることで、先進国(日本)が、途上国との貿易を通して、途上国の経済発展を助けるためにあります。

タイやラオスなどの途上国から日本へ商品を輸出する場合には、アメリカやドイツなどの先進国から日本へ商品を輸出する場合と比べて、有利な条件で輸出することができます。

さらにCBC Laoのあるラオスは、途上国の中でも、さらに貧しい国ということで「特別特恵(LCD)税率」の受けることができます。

Form AJとは

Form AJとは、日本とASEAN(東南アジア諸国連合)との間で結ばれた、関税協定のこといいます。

このForm AJを取得することにより、ラオスを含むASEAN諸国から日本へは、有利な条件で商品を輸出ことができます。

Form AJが取得できれば、日本とASEANの間の貿易で適用される特別な税率で輸出することができます。

 

では、ラオスから日本への衣類や寝具を輸出するとき、Form AあるいはForm AJ、どちらを使うことができるのでしょうか?

ラオスの場合ですと、どちらも使うことができます!!
*国よっては、どちらを使えるか決まっているので、注意が必要です。
*ラオスでの申請先は、Form Aは商工省、Form AJは商工会議所となります。

 

ただし、Form Aには2工程ルールという原則があります。

例外として、布帛の衣類(HSコード62類)に関しては縫製という一工程だけであってもFormAの取得ができますが、原則として、衣類や寝具の縫製に関していえば、Form Aを取得するには、縫製という工程だけではなく、布を作る工程も生産国で行なう必要があります(布作りと服作りの二工程)。

 

日本とASEANの間で結ばれた条約により、Form AJ取得のときには、この条件は緩和されます。

例えば、本来ラオスで布を作り、縫製まで行わなければいけないところを、Form AJの取得では、タイなどのASEAN加盟国で織った布を使えば、ラオスでは縫製の工程だけでも良いことになります(ASEAN加盟国以外、例えば中国からの生地を使って縫製するときには、Form AJを取得できません)

 
 
CBC Laoでは、例えば、次のようにForm AとForm AJを使い分けています。

Form A

ラオスで作られた糸を使って、ラオスで織られたシルクの織物を輸出するとき
中国で作られた布を使って、ラオスで縫製した衣類を輸出するとき

Form AJ

タイで織られた布を使って、ラオスで縫製された衣類や寝具を輸出するとき

タイなどASEANから生地だけでなく、中国等の生地を使って布帛の衣類を縫製しても、無税となるがラオスで縫製する大きなメリットの一つです。

 

以前のブログに、出荷後にアパレル会社さんにインヴォイス・パッキングリスト・BL(船荷証券)を送付しますと書きました。

Form AあるいはForm AJが取得できた場合には、この書類も一緒に同封することになります。

<参考ブログ記事>
http://cbclao.readymade.jp/cafe/html/art/00017.html
 

通関に関することは、なかなか調べても分からいことがあったりして本当に難しいです。

特に、日本のラオスの貿易については、情報も少なく、いつもいろいろな方に聞きまわっています。

ということで、私の分かる範囲で情報発信をしていけたらなと考えています☆

出典:海外ラオスにある小ロットを得意とする縫製工場


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。