「流量計の種類と選び方」メーカー一覧や製品カタログも

「流量計の種類と選び方」メーカー一覧や製品カタログも

品質管理や生産性向上を目的として、研究室や工場など、あらゆる場所で使われる“流量計”。使う目的や用途、流体、精度等に応じて最適なものを選定する必要がありますが、その種類は実にさまざま。しかも数あるメーカーの製品から自社にぴったり合ったものを見つけるのはなかなか大変です。

そこで今回は流量計の選定でお困りの方に向けて、流量計の種類と仕組み主なメーカー、そして選び方と導入の手順を実際に選定経験を持つ元技術者がわかりやすく解説します。

主要メーカーの製品カタログもご覧いただけますので、ぜひ流量計の比較・選定にご活用ください。

【目次】

流量計とは

その名の通り、流量を測定する装置である流量計。測定対象と主な測定の目的について簡単に解説します。

何を測るのか

流量計は液体、気体、蒸気の流れの量を測定することができます。
液体と気体、気体と個体など、複数の気体や液体を同時に測ることも可能です。これを二相流(多相流)といいます。

測定の目的

では流量計は実際にどういった目的で使われているのか。よくある用途を4つ紹介します。

1.不良品の流出防止

高精度な流量計であれば、0.5〜50mL / minなど、ごくわずかな流量を測ることが可能。流量の制御や適正な量で流れているかを確認できるため、不良品が流出するのを防ぐことができます。
例えば半導体洗浄装置や滅菌装置、工作機械の潤滑油計測などでも活躍しています。

2.危険回避・装置保護

冷却水の流量低下によって稼働に差が生じたり、冷却水による温度管理が欠かせない機械・装置は多数あります。
流量計は冷却水の流量計測でも活躍。異常事態の回避に貢献します。

3.コスト削減・省エネ

工場ではメンテナンスにかかるコストは極力抑えたいもの。設備投資も同様です。
流量計の中には配管工事を不要にするものや、電磁式やコリオリ式といった設置やメンテナンスの手間を減らせるものが多数。選ぶ流量計によってはコスト削減や省エネを実現することができます。

4.品質管理

工場にはさまざまな流体が存在します。それらの適切な管理が製品の質を左右することも。流量計は品質管理にも寄与するといえます。

流量計の種類と主なメーカー

一口に流量計といっても、その種類はさまざま。それぞれどう違うのか? 流量計の種類と特徴、主要メーカーをまとめました。製品カタログもダウンロードいただけます。

  • 電磁式流量計
  • 差圧式流量計
  • 超音波式流量計
  • 差圧式流量計
  • コリオリ式流量計
  • 容積式流量計
  • 面積式流量計
  • 熱式流量計
  • タービン型流量計
  • マスフローメーター
  • マスフローコントローラー
  • 電磁式流量計

    特徴

    • 接液部の材質を変えられる
    • 流量の変化にすぐ応答できる
    • 逆方向の測定が可能
    • 掃除が簡単

    こうした特長を持つ一方で、気体や蒸気、非導電性の液体を測ることはできません。

    主なメーカー

    アズビル、 タークジャパン、 オメガエンジニアリング、 東京流機工業、 日東精工、 キーエンス、 ノーケンエンドレスハウザー・ジャパン東京計装富士電機、 東フロコーポレーション、 ABB Japan、 東芝インフラシステムズ愛知時計電機、 旭有機材工業、 日本フローセルオーバル、 流体工業、キーエンス

    電磁式流量計の製品カタログはこちらから

    差圧式流量計

    特徴

    絞り構造と管口径範囲について国際基準があるため、製造設置すれば実流校正は不要です。
    一方で流量範囲が狭く、導圧管が詰まりやすいといった欠点を持ちます。ただし実際に測る流量が流量計の流量範囲に入っていれば問題はありません。

    主なメーカー

    長野計器エンドレスハウザー・ジャパン東京計装アテック岡野製作所日本フローセル、アズビル、東京流機工業、東フロコーポレーション、サーパス工業、流体工業

    差圧式流量計の製品カタログはこちらから

    超音波式流量計

    特徴

    逆方向の測定ができ、応答が早いといった特長を持ちます。
    非接触でさまざまな流体を測ることができる一方で、ダストやミストが多いラインでは使えない、超音波を通さない気泡が多い時は使えないなど、使用条件には一部制限があります。

    主なメーカー

    東京計器ノーケンエンドレスハウザー・ジャパン東京計装富士電機関西オートメイション愛知時計電機本多電子オーバル、オメガエンジニアリング、東京流機工業、旭有機材工業、流体工業

    超音波式流量計の製品カタログはこちらから

    渦式流量計

    特徴

    簡易な構造なので定期メンテナンスが不要、また耐薬品性に優れます。一方、配管の振動によって出力値が狂う、脈動流の影響を受けるといった短所も持ちます。
    脈動流と渦の発生周波数が似ていると、誤った出力になる場合があります。脈動流が発生する場所(容積式流量計や渦流量計、ポンプの出口など)への設置には注意しましょう。

    主なメーカー

    日東精工エンドレスハウザー・ジャパン東京計装オーバルエフコン、アズビル、オメガエンジニアリング、東京流機工業、TLV、東フロコーポレーション、サーパス工業

    渦式流量計の製品カタログはこちらから

    コリオリ式流量計

    特徴

    質量流量を直接計測できる、応答が早い、脈動流に影響を受けないといった特長を持つ一方で、流量計の振動の影響を受ける、掃除がしにくいといったデメリットがあります。コスト効率を考慮するとメンテナンス性が欠点といえます。

    主なメーカー

    日東精工エンドレスハウザー・ジャパン東京計装オーバル、アズビル、キーエンス

    コリオリ式流量計の製品カタログはこちらから

    容積式流量計

    特徴

    電源不要で積算流量を直接測定できます。流体のエネルギーを動力としているため省エネにも貢献します。
    ただし固形物やゴミ除去のためにストレーナを設置する必要があり、また定期点検も必要、低粘度の流体の場合は精度が悪くなってしまうといった欠点も持ちます。

    主なメーカー

    日東精工長野計器オーバル、流体工業

    容積式流量計の製品カタログはこちらから

    面積式流量計

    主なメーカー

    日本フローセル、オメガエンジニアリング、東京流機工業、東フロコーポレーション、スウェージロック、大阪フローメーター、流体工業、カワキ計測工業

    面積式流量計の製品カタログはこちらから

    熱式流量計

    特徴

    コリオリ式と同様に質量流量が計測できるほか、測定できる温度範囲が広いといった特長を持ちます。
    しかし測定対象は純粋な気体のみ。また汚れに弱いといった欠点もあります。湿ったガスやオイルミストには不向きで、純粋なガスに向いています。

    主なメーカー

    東京計器エンドレスハウザー・ジャパンオーバルエフコン、タークジャパン、東京流機工業、サーパス工業

    熱式流量計の製品カタログはこちらから

    タービン型流量計

    特徴

    羽根車の回転速度が流速に比例することを利用し、羽根車の回転数を用いて流量を算出します。
    ほかの流量計に比べて軽量で、取り付けが自由です。しかし粘度が高い流体を不得意とし、軸受が劣化するため、寿命が短い点などは考慮しなければなりません。

    主なメーカー

    日東精工愛知時計電機オーバル、オメガエンジニアリング、流体工業

    タービン型流量計の製品カタログはこちらから

    マスフローメーター

    主なメーカー

    東京計装、アズビル、オメガエンジニアリング、日本特殊計器製作所、流体工業、コフロック、ナック、コスモ計器、カワキ計測工業

    マスフローコントローラー

    主なメーカー

    東京計装エフコン、アズビル

    流量計の選び方と導入の手順

    上述のとおり種類豊富な流量計。実際にどのような手順で選んでいくのか、実際に流量計を選定していた元技術者が解説します。

    解説するエンジニア

    1.測定目的を明確にする

    流量計を選定する際にまず行うべきことが、「流量計を使って何をしたいか?」といった測定目的の明確化です。
    実験に使う希ガス用ボンベの流量管理をしたいなど、実験レベルで手軽に測定することが目的であれば、複雑な流量測定システムを組む必要はありません。

    しかし以下のように、製造ラインでの製造条件管理や警報と連動させるシステムを組みたい場合は、流量計に求められる精度や出力方式も変わります。

    • 製造マシンで使用する供給塗液の流量を「±0.3%RD」で管理したい
    • 工場のLNGやボイラー蒸気の流量を管理し、異常時には警報を出したい

    測定目的が明確になっていないと、測定方式を決めたとしても、流量計と共に必要な備品の選定で苦労してしまう恐れもあります。
    また、測定・管理したい流量の最小値や最大値、測定精度や許容できる圧力降下のレンジなど、実使用時の管理範囲もこの時点で明確にしておきましょう。

    2.測定する流体の性質を把握する

    流量を測定する目的が明確になったら、流量計の測定方式を明確にするためにも、改めてその流体の性質を確認しましょう。

    測定したい流体の温度や密度、粘度といった基本特性だけでなく、使用環境下での挙動把握が重要です。例えば、「温度によって物性が大きく変わらないか?」など、流体の特性に影響を与える要因は明確にしなければいけません。特に液体は環境によって様々な挙動をするため、流量計の選定には注意が必要です。

    スラリー液などの微粒子を含む流体の場合、せん断によるゲル物の発生などで製品の異物混入原因となることもあります。また、気泡が発生しやすい液体ならば、渦式流量計や超音波式流量計といった測定方式の流量計では、正確な測定ができなくなります。

    特定の温度や圧力下で粘度が極端に変化するようなチキソ性流体などは、事前に「オフライン粘弾性計」などで動的特性をしっかり把握しておきましょう。流量計の測定方式についてメーカーに相談する際にも、事前に測定対象物の特徴を把握しておかなければ、的確な流量計を提案してもらえなくなる恐れもあります。

    3.測定方式を絞り込む

    流量計は、測定方式によって測定できる流体に違いがあるだけでなく、設置方法や使用環境が限定されることもあります。例えば、電磁流量計は、圧力損失もなく高精度で、耐食性・耐磨耗性に優れます。しかし、導電性がある液体しか流量の測定ができません。

    測定精度が「±0.1〜0.2%RD」と高精度なコリオリ式質量流量計は、測定環境の振動の影響を大きく受けますし、スラリーなどの微粒子を含む流体の測定には不向きです。測定対象の適応範囲が広い面積式流量計は、垂直に設置しなければ流量の測定ができません。

    このように、測定対象だけでなく設置場所や使用環境によっても、選ぶべき流量計は違ってきます。流量計が正しく使用できる環境についても、注意を払うようにしましょう。

    流量計の適合表

    ※クリックで拡大できます。
    流量計適合表

    4.製品仕様を検討する

    流量計の測定方式が決まった後は、製品仕様の検討に入ります。測定対象物によっては、測定方式だけでなく流量計自体の素材や加工方法に注意が必要となります。

    可燃性の流体を使用する場合には、防爆仕様の流量計でなければいけません。油や水分などの混入が許されない場合は、接合部に油脂や水分が残留しない流量計を選択しなければいけません。

    また、流量計は汚れによる影響も受けます。汚れの付着を抑制したり洗浄性を高めたいならば、防汚性に優れるテフロン加工なども必要になるでしょう。

    流量計以外で重要なことは、設置する場所に合わせた配管設計を行うことです。設置予定場所で、流量計や配管をどのように設置するか、事前にシミュレーションしなければいけません。

    流量計が納品された後に、「電源の定格電圧が違って動作しない」「バイパス配管を組むスペースがない」といった事態に陥っていては目も当てられません。

    5.許容コストを明確にする

    流量計のおおよその仕様が決まったら、現時点で許容できるコストを明確化しておく必要があります。

    流量計にかかる費用は、測定法式によっても大きく違いがあります。最も単純な機構である面積式流量計は1万円以下ですが、高粘度流体に対応する電磁流量計は20万円を超えるものもあります。

    また、流量計に加えて、配管や整流器といった追加設備費用はもちろん、テフロン加工やパッキンの防爆仕様化など、追加の加工でも必要なコストが変わってきます。
    見落としがちですが、流量計の定期メンテナンスにもコストがかかります。測定方式によっては、部品の交換や洗浄が必要となるのです。流量計のシステム一式の導入費用だけでなく、設置や設置後の保守にかかるコストまで意識しましょう。

    メーカーに見積もりを依頼する際にも、許容コストを伝えたうえで、必要な項目の優先順位別に複数の見積もりを依頼する必要があります。

    6.動作確認をする

    流量計や関連機器が納入された後は、設置と測定テストを行いましょう。

    流量計が動作しないなどの初期不良はもちろん、目標としている管理レンジで動作をしていない場合は、メーカーに連絡が必要です。

    メーカーによっては、流量計の設置や動作確認を行なってくれます。流量計の設置環境はもちろん、構築した測定経路しだいでは正確に流量が測定できないこともあります。

    流量計の設置に不安がある場合には、設置サービスの利用も検討しましょう。

     

    各メーカーのカタログを自由にダウンロードできるアペルザカタログでは、多数の流量計を取り扱っています。ぜひ流量計の選定にご活用ください!


ものづくりニュース編集部です。日本の製造業、ものづくりの活性化を目指し、日々がんばっています。