協働ロボットまとめて比較!メーカー一覧から選び方、導入事例までご紹介

協働ロボットまとめて比較!メーカー一覧から選び方、導入事例までご紹介

人手不足や採用難の解決策として注目を集め、産業用ロボットの中でも急速に設置台数が伸びている“協働ロボット”。MarketsandMarketsのレポートによると、2018年の協働ロボットの市場規模は7億1000万ドル。なんと2025年には120億ドル規模に達する可能性があるといいます。「自社でも導入を検討している」という方も多いのではないでしょうか。

本ページでは、そんな協働ロボットの導入を検討中の方に向けて、そもそも「協働ロボットとはなにか?」という定義から、主要メーカーと主力製品、そして選び方について紹介します。

【目次】

協働ロボットとは

人と同じ空間で、一緒に作業を行うことができるロボット。産業用ロボットの一種です。
従来、モーターの定格出力が80Wを超える産業用ロボットは、安全を確保するために大きな柵でロボットを囲み、人と隔離した状態でなければ使うことが許されていませんでした。

その後2013年12月に以下のとおり規制が緩和されたことをきっかけに、協働ロボットの普及が勢いを増しました。

事業者は、産業用ロボットを運転する場合(教示等のために産業用ロボットを運転する場合及び産業用ロボットの運転中に次条に規定する作業を行わなければならない場合において産業用ロボットを運転するときを除く。)において、当該産業用ロボットに接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、さく又は囲いを設ける等当該危険を防止するために必要な措置を講じなければならない。
厚生労働省『安衛則第150条の4(運転中の危険の防止)』より

 

産業用ロボットを使用する事業者が、労働安全衛生法第28条の2による危険性等の調査(以下 「リスクアセスメント」という。)に基づく措置を実施し、産業用ロボットに接触することにより労働者に危険の生ずるおそれが無くなったと評価できるときは、本条の「労働者に危険が生ずるおそれのあるとき」に該当しません
『安衛則第150条の4(運転中の危険の防止)』(平成25年12月24日付基発1224第2号通達)より

※出典:『産業用ロボットと人と協働作業が可能となる安全基準を明確化しました。(労働安全衛生規則第150条の4関係)』(厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課)

簡単にいうと、安全機能を備えていれば人と同じスペースで設置してもOK。つまり協働ロボットとは、人との協働作業に対応できる安全機能を備えたロボットであるといえます。

協働ロボットの主要メーカーと製品

現在協働ロボットを取り扱うメーカーは20以上。各社の協働ロボットにはどんな違いがあるのでしょうか? 主要メーカーとともに各社の主力製品を紹介します。

【メーカー一覧】

ユニバーサルロボット(デンマーク)

2005年に創業。2019年には累計販売台数が3万7000台を突破。世界市場シェアNo.1*の協働ロボットメーカーです(*Biz RESEARCH調べ)。

主力製品:UR協働ロボット eシリーズ

6つのジョイントすべてが720度の自由度を持ち、可搬重量3・5・10・16kgタイプをラインアップ(2019年12月現在)。小型タイプが多く並ぶ協働ロボットですが、eシリーズは可搬重量16kgと重量物にも対応できます。

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安川電機(日本)

1915年創業、100年以上の歴史を持つロボットメーカー。メカトロニクス製品を得意とし、産業用ロボットのほか、ACサーボモータやモーションコントローラでもトップクラスのシェアを誇ります。

主力製品:HCシリーズ

隙間を確保し、指や手が挟まれにくい構造。人との接触よる危害を最小限に抑える安全機能も搭載。「ダイレクトティーチボタン」により、初心者でも簡単に操作ができます。

ファナック(日本)

1972年創業。高品質・高性能・低価格をモットーに産業用ロボットのほか、CNC、サーボモータ、切削加工機、ワイヤカット放電加工機なども手がけます。

主力製品:CRシリーズ

ファナックといえば危険を意味する「黄色」ですが、こちらのCRシリーズは「緑色」。ソフトカバーで覆われており、衝撃を緩和します。2015年3月に発表された『CR-35iA』は、なんと可搬重量35kg。そのほか4・7・14・15kgタイプをラインアップしています。

新製品:CRX-10iA

2019年12月に発表された「白いロボット」は、さらにユーザーに寄り添った協働ロボット。タブレットで操作し、アイコンを並び替えることでプログラムを作成できるほか、ダイレクトティーチングにも対応します。
CRX-10iA

CRシリーズとCRX-10iA

ABB(スイス)

1988年に創業、スイスに本社をおく産業用ロボットメーカー。

主力製品:協働型双腕ロボット YuMi(R)

器用な14軸の動作性能。100V電源で使用でき、コントローラも内蔵という手軽さが特徴です。

KUKA(ドイツ)

中国の家電メーカー・美的集団の子会社で、ドイツに本社をおく産業用ロボットとFA関連機器のメーカー。

主力製品:人協調型センシティブロボット LBR iiwa

可搬重量は7-14kg、リーチは800-820。各軸のトルクセンサーにより、接触を検知するとただちに力・速度を落とすことが可能。学習能力は3つのオペレーションモードから選択し、シミュレーションでのプログラミングができます。敏感性は輪郭を素早く認識し、パワーを調整。位置を正確に識別し、最大±2%のトルク精度で素早く部品を取り付けます。

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川崎重工(日本)

1896年に設立。輸送機器からエネルギー、産業用設備まで手がける総合エンジニアリングメーカーです。

主力製品:双腕スカラロボット duAro (デュアロ)

人一人分のコンパクトな設置スペースで作業でき、コントローラを内蔵したキャスター付きの台車により、簡単に移動・設置が可能な双腕スカラロボットです。ダイレクトティーチングや、タブレット端末での操作・教示ができるため、ロボットを使用したことがない方でも安心な直感的な操作ができます。

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デンソーウェーブ(日本)

1976年設立、自動認識 / 産業用ロボット / 産業用コントローラの3分野を中心に事業を展開する企業です。

主力製品:COBOTTA

人にやさしいフォルム、持ち運びしやすいコンパクトサイトが特長。どこでも自由に連れていくことができ、すぐに作業を自動化します。


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オムロン(日本)

1933年創業、制御機器事業を中心に、車載事業、電子部品事業、ヘルスケア事業などを展開する大手電気機器メーカーです。

主力製品:協調ロボット TMシリーズ

ビルトインビジョンを搭載。短時間での立ち上げと段取り替えを可能にします。

不二越(日本)

1928年設立、ロボット事業、マシニング事業、機能部品事業、マテリアル事業を手がける企業です。

主力製品:スリムアーム協働ロボット CZ10

関節に隙間、アームに丸みを持たせた人にやさしいデザイン。アームを手で動かし、直感的にティーチングできます。

ストーブリ(スイス)

1982年設立、産業用ロボットのほか、流体コネクタ、電気コネクタなども手がけるメカトロニクス企業です。

主力製品:産業用6軸ロボット TX2-60シリーズ

TechMan Robot(テックマン・ロボット社)(台湾)

台湾のパソコンメーカー・広達電脳(Quanta Computer / クアンタ・コンピュータ)の子会社として2016年に設立したロボットメーカーです。

主力製品:アーム型協調ロボットTMシリーズ

カメラ内蔵。手・目・頭脳が一つのシステムに。従来のようなティーチングプログラムの知識がいらず、誰でも短時間でティーチングができる点が特長。

AUBO Robotics(アメリカ)

2014年にアメリカで設立したロボットメーカーです。

主力製品:アーム型協調ロボットTMシリーズ

可搬重量は3-10kg。プログラミングいらずでスピーディなセットアップ、軽量アーム、柔軟で高速、低コストといった特長を持ちます。

Doosan Robotics(韓国)

Doosan Corporationグループの一員として2015年に設立した協働ロボットメーカー。2019年より日本にも進出しています。

主力製品:Doosan・cobot

可搬重量6・10・15kgをラインアップ。6軸すべてにトルクセンサを搭載しています。スマードデバイスで直感的なプログラミングが可能です。

NICEBOT(日本)

早稲田大学発のベンチャー。

主力製品:協働ロボットアーム Nicebot

プログラミング不要の簡単設定と高速トルク制御機能が特長。7自由度と6自由度の2つのモデルを持ち、耐荷重5kg、リーチ長は1m。

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Rethink Robotics(リシンク・ロボティクス)

もともとはアメリカに本社をおいた企業。2018年に一度廃業し、その後ドイツのHAHNグループが買収。新たにドイツ法人としての「Rethink Robotics」を立ち上げました。

主力製品:協働ロボット Sawyer(ソーヤー)

AC100Vで使用可能、プログラミングの知識不要で簡単に設定できるなど使い勝手のいい協働ロボット。独自の柔軟性で繊細な作業を得意としています。

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下記より、これらの製品カタログをまとめてダウンロードいただけます。
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協働ロボット選び方のヒント

協働ロボットはどう選べばいいのか? 選定のヒントが満載のハンドブックや導入事例を紹介します。すべて無料でお読みいただけますので、表紙をクリックしてダウンロードください。

ハンドブック①
『初めて使う協働ロボットー導入のための10のステップ』
(ユニバーサルロボット)

ハンドブック②
『協働ロボットの導入時に、検証すべき5つの質問』
(ユニバーサルロボット)

導入事例①
人とロボットが協調した粉末化粧品製品個装箱入れ工程の実現
(一般社団法人日本ロボット工業会)

導入事例②
高精度なパレタイジング作業における協働ロボットの活用
(ユニバーサルロボット)

協働ロボット最新動向

最後に、トレンドや最新動向がキャッチできるハンドブックやレポートを紹介します。こちらも無料でダウンロードいただけますのでぜひご覧ください。

ロボットがより身近で簡単に「産業用ロボットナビ」Vol.4

【産業用・協働・汎用ロボット編】展示会レポートまとめ 2018年上半期

 

下記よりこれらのハンドブックや導入事例をまとめてダウンロードいただけます。
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アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。