AppBank、スマホケース盗作疑惑で謝罪 マックスむらい氏「やっては...

AppBank、スマホケース盗作疑惑で謝罪 マックスむらい氏「やってはいけないことだった」「仕事として流してやっていた」 【知財ニュース拾い読み】

AppBank、スマホケース盗作疑惑で謝罪 マックスむらい氏「やってはいけないことだった」「仕事として流してやっていた」

『ねとらぼ』(2016/12/20)
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1612/20/news124.html

 

記事では、AppBankが新作として発表したスマートフォンのケースが、同社とも取引のあるメーカーのデザインを模倣したものであったことが伝えられています。

また、デザインを模倣されたメーカーは本件のスマホケースについて実用新案権を取得していたことについても伝えられています。

 

デザインを模倣されたということで著作権が問題になりそうですが、著作権の話は出てきていません。

今回問題となっているスマートフォンケースのような工業製品のデザイン(工業デザイン)は、一般的に、著作権で保護することが難しいとされています。工業デザインは、著作物に該当しないことの方が多い傾向にあるためです。さらに、それぞれ相手方の工業デザインを知らずに独自に創作された工業デザイン同士が似ていたとしても、著作権の侵害にはなりません。

工業デザインは、不正競争防止法によって保護されることがあります。自身の工業デザインに依拠して(真似して)作り出された製品の販売を差し止めたりできるのですが、実質的に同一の工業デザインに限られる(「似ている」だけでは×)点が厳しいところです。

 

また、工業デザインが不正競争防止法によって保護を受けることができる期間は、最初の販売日から3年という短い期間に限られます。

よって、工業デザインを適切保護するためには、著作権や不正競争防止法の他に、何らかの手立てを考えておく必要があります。

一般的に、工業デザインは、意匠権(権利期間は登録日から20年)によって保護しておくケースが多いですが、今回は実用新案権(権利期間は出願日から10年)によって保護されていたようです。開発NEXT編集部が調査したところ、今回取得されていた実用新案権はおそらく第3204550号のことだろうと推測されます。

出典:『AppBank、スマホケース盗作疑惑で謝罪 マックスむらい氏「やってはいけないことだった」「仕事として流してやっていた」 【知財ニュース拾い読み】』開発NEXT


弁理士。コスモス国際特許商標事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。知的財産権の取得業務だけでなく知的財産権を活用した製品作りの商品開発コンサルタントを行う。知財マッチングを展開し、ものづくり企業の地方創世の救世主として活躍している。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標の活用を応援するWEBマガジン「発明plus Web」( https://hatsumei-plus.jp/ )を運営している。