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ニレコ、『BFSレーザ距離計測器』開発—5mでμm精度、800mm以上測定・最大4ヘッド同期、2025年9月販売活動開始

この記事の内容をまとめると…

  • 5 m程度の中長距離でμmオーダーの精密測定と800 mm以上の測定範囲の両立
  • 光ヘテロダイン方式採用と最大4ヘッド同期による多点同時測定
  • 販売活動を2025年9月より開始

株式会社ニレコは、5 m程度の中長距離でμmオーダーの高精度と800 mm以上の測定範囲を両立した「BFSレーザ距離計測器」を開発した。光ヘテロダイン方式や小型ヘッド、最大4ヘッド同期などにより現場での実用性を備える。

BFSレーザ距離計測器詳細

光ヘテロダイン方式を採用し、測定距離に応じて変化するビート周波数の解析により距離情報を高精度かつリアルタイムに取得する。ToF(Time-of-Flight)センサ方式や三角測量センサ方式と異なり、中長距離での精密計測を実現する。最大4ヘッドまでの完全同期による多点同時測定、φ17×21 mmの超小型照射受光ヘッド、光ファイバ延長による柔軟なレイアウト、IP65準拠の堅牢なヘッド構造を備える。同軸測量方式の採用により凹凸形状やピンホール内部にも対応し、材質に依存しない安定した測定性能を発揮する。外乱光・空気の揺らぎ・高温環境などの過酷環境下でも精密測定が可能である。

どのように活用する?

【想定アプリケーション例】

鉄鋼・非鉄金属製品

高温測定対象への厚み・形状計測

航空宇宙・防衛分野

構造物の変形モニタリング、組立時の高精度アライメント、衝撃試験や振動試験時の変位計測

自動車産業

エンジンブロック等の鋳物形状計測、ギガキャスト等の大型ダイキャスト製品形状計測

ロボティクス・自動化装置

ロボットアームや搬送装置の高精度位置決め、直線移動時高精度フィードバック制御

精密工作機械

CNCマシンや研削盤における位置制御や変位測定用途

半導体製造装置

位置決めやステージ制御の高精度測定、半導体ウェハ・チップの高さ計測

産業用部品の品質管理や医療機器の内部構造検査

接触式プローブでは困難な複雑な内部構造の形状計測

土木・建築構造物のモニタリング

橋梁や高層ビルの長期的な変位・傾きの監視、地震や風荷重による構造変化の検出

仕様・スペック

【BFS15-D】
光源・波長(典型値) ファイバーレーザ・1558 nm
レーザ出力 20 mW
測定範囲 860 mm
スポット径(典型値) φ0.6(焦点位置)
レーザユニットサイズ W200 − H250 − D350 mm
重量 <7 kg
ヘッド数 1
ファイバ長・保護構造 5 m・SUS管(最小曲げ半径20 mm)
電源電圧 DC24 V(80 W)
【BFS15-T】
光源・波長(典型値) ファイバーレーザ・1558 nm
レーザ出力 10 mW(各ヘッド)
測定範囲 300 mm(各ヘッド)
スポット径(典型値) φ0.6(焦点位置)
レーザユニットサイズ W200 − H250 − D350 mm
重量 <7 kg
ヘッド数 2
ファイバ長・保護構造 5 m・SUS管(最小曲げ半径20 mm)
電源電圧 DC24 V(80 W)

その他

鉄鋼の熱間圧延工程における厚み計測装置の応用試験を実施し、高精度な測定を確認。従来のX線やγ線を用いた透過型センサでは対応が難しかった厚板材の測定にも適用可能である。

販売活動を2025年9月より開始。

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