三菱電機、JAXA選定の国産宇宙用太陽電池セルを低価格量産へ—カバーガ...

三菱電機、JAXA選定の国産宇宙用太陽電池セルを低価格量産へ—カバーガラス・アレイも国内一貫生産

この記事の内容をまとめると…

  • JAXAの技術開発課題の代表機関に選定、低価格で量産可能な宇宙用太陽電池セルの開発開始
  • カバーガラスと太陽電池アレイの開発、国内一貫生産体制の構築
  • ペロブスカイトやCIGSタンデムの実用化検討、国産衛星への供給方針

三菱電機は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の技術開発課題「国産太陽電池セル・カバーガラスおよび搭載アレイの開発」の代表機関に選定され、国内サプライヤーと連携して低価格で量産可能な宇宙用太陽電池の開発を開始した。

太陽電池開発詳細

本開発課題は、宇宙戦略基金第一期テーマ「衛星サプライチェーン構築のための衛星部品・コンポーネントの開発・実証」の一つであり、実施期間は2025年5月〜2031年3月である。

三菱電機は、国内サプライヤーと連携し、低価格で量産可能な太陽電池セルの開発を目指す。あわせて、地上製品のガラスが宇宙に適用できるかを検証し、低価格なカバーガラスの量産化に取り組む。さらに、セルやカバーガラスを搭載する太陽電池アレイを開発し、国内で一貫して生産できる体制を構築することで、価格と供給の課題の同時解決を図る。

セル開発ではPXPと連携し、ペロブスカイトやCIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレンから成る化合物半導体)タンデム太陽電池セルの実用化を検討する。これらは広く使われているIII-V族セルと同等の変換効率を保ちつつ、宇宙放射線に強く、製造が容易で低価格化と量産化に適しているとされる。三菱電機は、同社の衛星システム開発技術とPXPの太陽電池セル製造技術を組み合わせ、宇宙空間でも効率と信頼性が高い太陽電池セルの量産を目指す。

どのように活用する?

本課題で開発した太陽電池セル、カバーガラス、太陽電池アレイを多様な国産衛星向けに供給し、日本の宇宙産業の自律性向上と競争力の強化に貢献するとしている。

その他

選定の発表日は2025年8月21日であり、記事の公開日は2025年8月28日である。

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