リガク、TXRF分析装置「XHEMIS TX-3000」を販売開始—半導体ウェーハ向け、最大全体6倍高速・軽元素対応
この記事の内容をまとめると…
- 全反射蛍光X線(TXRF)分析装置「XHEMIS TX-3000」の販売開始
- 新光学系+マルチエレメント検出器で計測速度約3倍、最大全体6倍の高速化
- AIスペクトル予測と軽元素対応、不要背景低減で用途拡大
株式会社リガクが、半導体製造におけるウェーハ表面の微量汚染分析に対応する全反射蛍光X線(TXRF)分析装置「XHEMIS TX-3000」の販売を開始した。最大全体6倍の高速化や軽元素対応などをうたう。
XHEMIS TX-3000詳細
同社のTXRFは事実上の業界標準の地位を築いてきたとしており、本モデルでは計測精度・操作性・生産性を高めたとする。従来モデル比で最大全体6倍の高速処理を実現し、従来約1時間の計測が10分で完了する。
新開発の光学系とマルチエレメント検出器の組み合わせにより計測速度を約3倍に向上。さらに、膨大な分析データを学習させたスペクトル予測ソフトウェアを用いて、同等の精度を維持したまま追加で約2倍の高速化を図る。
3種類の波長を切り替えられるX線源を採用し、蛍光X線分析で検出が難しいとされてきた軽元素(ナトリウム、マグネシウム、アルミニウムなど)にも対応する。広範囲に均一なX線照射を可能にするモノクロメーターと、ウェーハ表面を3か所同時に測定できるマルチエレメント検出器を搭載し、計測速度向上に寄与する。
不要な背景信号(バックグラウンド)を低減する新機能により、バリアメタル(配線保護膜)や高誘電体膜、化合物半導体などへの対応範囲を拡大する。これにより、サンプルを破壊せずに汚染源の面内分布を広く計測できるとしている。
どのように活用する?
半導体製造におけるウェーハ表面の微量汚染分析に用いる装置である。面内分布の計測にも対応する。
仕様・スペック
- 従来比 最大全体6倍の高速処理
- 計測速度 約3倍(新開発の光学系+マルチエレメント検出器)
- 従来約1時間の計測が10分
- 3種類の波長を切り替え可能なX線源
- 軽元素(ナトリウム、マグネシウム、アルミニウムなど)に対応
- モノクロメーターによる広範囲の均一照射
- ウェーハ表面 3 か所同時測定(マルチエレメント検出器)
- 不要な背景信号を低減(バリアメタル、高誘電体膜、化合物半導体)
- スペクトル予測ソフトウェアにより計測時間短縮時も同等の精度を維持