竹中工務店ら、建設現場向けロボットナビゲーションシステムを開発 空間ID×3D位置で自律移動、業務時間・開発コスト30%削減
この記事の内容をまとめると…
- 空間IDと3D位置情報で建設現場ロボットの自律移動を実現
- tateras(タテラス)作業間調整と連携した高精度ルート計画とマップ統合
- 実証で業務時間約30%、開発コスト約30%削減
竹中工務店、NTTドコモビジネス、アスラテックは、空間IDと3D位置情報を用いた建設現場向け「ロボットナビゲーションシステム」を開発。巡回ロボットの高精度ルート設定や自律移動を可能にし、実証で業務時間約30%削減とした。
ロボットナビゲーションシステム詳細
竹中工務店は2025年8月25日、NTTドコモビジネス、アスラテックと共同で建設現場のロボット運用システム「ロボットナビゲーションシステム」を開発したと発表した。空間IDの3D位置情報を活用し、巡回ロボットの高精度なルート設定と自律移動を可能にする。2027年の実用化を目指す。
新システムはNTTドコモビジネスの建設現場向け作業間調整支援サービス「tateras(タテラス)作業間調整」を用い、入力された図面や施工管理情報からマップを構築し、空間IDの3D位置情報と組み合わせて移動ルートを設定する。屋内外や上下階をまたぐ移動時にも各エリアで生成されたマップを統合し、シームレスな移動を実現する。異なる種類のロボットや複数台の同時運用にも対応する。
従来の課題であった屋内/屋外間や3D方向の移動の困難さ、マップ整備のコストに対し、3社は2022年から空間IDを応用したロボット運用システムの開発に着手し、四足歩行ロボット「Spot(スポット)」を用いた実証を重ねた。tateras作業間調整は施工管理情報に開始/終了時刻やミリ単位の実スケールを付与でき、施工状況の変化に応じて走行可能なスペースを確認しながら柔軟に走行計画を立てられる。日々変化する立入禁止区域や養生エリアなどの条件下でも高精度なルート計画と自律移動を実現する。
竹中工務店の建設現場での実証では、現場職員の作業負担軽減により業務時間を約30%削減できたという。空間IDをシステム間の共通言語として活用することで、ロボットのシステム開発コストも約30%削減したとしている。