豊田自動織機、協働ロボット「UR10e」導入で26kg粗材搬送の自動化と工数削減を実現
この記事の内容をまとめると…
- 豊田自動織機が協働ロボット「UR10e」をエンジン工場に導入
- バランサーとの組み合わせにより高可搬・高安全性の自動搬送を実現
- 工数削減や他工程への作業対応も可能に
同社の東知多工場では、協働ロボット「UR10e」とバランサーを組み合わせた自動搬送ソリューションを導入し、安全性と効率性の両立を実現した。
UR10e導入詳細
株式会社豊田自動織機は、エンジンなどを生産する東知多工場において、ユニバーサルロボットの協働ロボット「UR10e」を導入した。従来、人手で行っていた26kgの粗材搬送作業について、既存のバランサーと「UR10e」を組み合わせることで自動化を図った。
工場内では、若手人材の確保や熟練作業者の後継問題への対応が課題となっており、スマート化・自動化の推進が求められていた。なかでも、粗材投入工程は作業負荷が高く、安全性と省力化が課題であった。
導入に際しては、安全柵が不要で既存ラインに導入可能なコンパクトな装置であること、26kgの重量物を安定して搬送できることが条件であった。従来の産業用ロボットでは、大型の周辺設備が必要であり、工場内スペースや既存ラインとの共存が難しいケースが多かった。
今回のソリューションでは、バランサーが粗材にかかる重力を補助することで、協働ロボットの可搬重量不足をカバー。「UR10e」は、水平方向・上下方向の移動および姿勢制御、内蔵力覚センサを用いた力制御により、滑らかな動作を実現している。柔軟性・安全性・省スペース性を兼ね備えた実用的なソリューションとなった。
導入後は工数削減に加え、オペレータが隣接ラインの作業も担えるようになった。今後、同社は本事例を他工場や他工程へ展開する方針である。