アルム、全工程自動化の切削加工機「TTMC」量産機を発売 スギノマシンと共同開発
この記事の内容をまとめると…
- 完全自動の切削加工機「TTMC」の量産機を発売開始
- アルムのAIソフトウエアとスギノマシンのマシニングセンタを融合
- 2025年6月よりユーザーに納入開始、2030年6月までに250台の販売を目指す
自動化装置や製造AIソフトウエアの研究・開発を行うアルム株式会社と、産業機械メーカーの株式会社スギノマシンは、切削加工の全工程を完全自動化した次世代型切削加工機「TTMC」の量産機の発売を開始した。CADデータを読み込ませるだけで、プログラム作成から、素材や工具のセットなどの工程を自動化し、高精度な加工を実現する。
TTMC詳細
TTMCは、アルムの独自技術を用い、金属・樹脂部品の切削加工工程全12工程を完全自動化した切削加工機である。中核となる切削装置には、スギノマシンの同時5軸マシニングセンタ「セルフセンタSC-V30a」をTTMC用にカスタマイズしたものを採用している。
制御にはアルムが開発したAIソフトウエア「TTMCブレイン」を搭載し、CADデータを読み込ませるだけで必要なプログラムを自動作成する。素材や工具のセット、心出し、仕上げ加工までを一貫して自動化。素材や工具の摩耗状態を記録し、メーカーに自動発注する機能も備える。
「TTMCブレイン」は、加工機全体の制御、工程設計、NCプログラムの自動生成などを担い、多品種少量生産に対応。アルムクラウドにアクセスでき、ソフトウエアのアップデートやリモートメンテナンスが可能となる。将来的には、部品発注から物流システムまでの完全自動化を目指している。
また、TTMCの基本設計はアルムが行い、コアとなる切削ユニットにはスギノマシンが開発した同時5軸マシニングセンタ「セルフセンタSC-V30a」を採用。販売や保守にはスギノマシンのネットワークを活用する。