JFEエンジ、建設現場向け世界初の高力ボルト自動締め付けロボットで省人化40%
この記事の内容をまとめると…
- JFEエンジニアリング株式会社が世界初の高力ボルト自動締め付けロボットシステムを開発
- 橋梁や建築鉄骨などで数万個のボルト締めを自動化し、省人化率約40%を実現
- 建設現場の人手不足や高齢化への対応として期待される
橋梁や建築鉄骨の建設に欠かせない高力ボルトの締め付け作業を、ロボットが代替する時代が到来した。JFEエンジニアリング株式会社は、数万個に及ぶ高力ボルトを自動で締め付ける世界初のロボットシステムを開発。これにより現場での省人化と安全性向上を実現する。
ロボットシステム詳細
今回発表された高力ボルト自動締め付けロボットシステムは、建設現場で行われていた高力ボルトの締め付け作業を自動化するもの。橋梁や建築鉄骨の施工では数万個ものボルトを締め付ける必要があり、従来は作業者が狭く危険な足場の上で重い工具を使っていた。
本ロボットは、独自開発した締め付け専用ツールと位置補正機構を備え、溶接レスで取り付け可能な仮設レールを走行しながら、ボルトの締め付けからマーキングまでの工程を一貫して自動で行う。
どのように活用する?
本システムは、2023年11月に横浜市内で行われた橋梁の本設架設工事において、初めて実用化された。対象となった構造物は全長約50m、ボルト本数約3万本。作業期間はおよそ1.5カ月間で、省人化率は約40%を達成した。
導入により、高所や狭所での危険作業の低減、施工品質の安定化、建設現場の生産性向上といった多方面での効果が見込まれている。今後、同社は橋梁や建築鉄骨分野に加え、さまざまな構造物への適用を検討している。