オムロン、Network-Edge用無停電電源装置『BVシリーズ』を発売 使用環境温度-10~55℃、ファンレス設計
オムロンソーシアルソリューションズ株式会社は、業界初(※1)となる、使用環境温度-10~55℃(充電時を除く)において、ファンレス・薄型設計を実現した無停電電源装置(以下、UPS)『BVシリーズ』を開発し、2021年6月に発売する。『BVシリーズ』は、通信ネットワークの末端にあたるエッジ領域のネットワーク機器を電源障害から保護し、それらの遠隔監視・制御も可能。置き場所に応じた様々な設置パターンを実現している。
※1 小型(3kVA以下帯)UPSに関する国内市場調査(2021.1~2021.2) <ESP総研 調べ>
開発の背景
近年、労働力不足の深刻化を背景に、駅や公共施設などにおいて、これまで人手で行っていた施設内の巡視や利用客へのアナウンスを、カメラや案内用のモニターで代替し、ネットワーク機器を通じて情報を集約、遠隔で操作するケースが増えている。こうしたシステムの中には、利用客の安全確保を目的としたものなど、稼働を止められないものが多くなっている。これらのシステムを支える各種ネットワーク機器は、空調が完備されておらず塵埃等も舞う環境や、高所や狭所など保守作業の負担が大きい箇所に設置されることも多く、効率的に機器を安定稼働させるニーズはこれまで以上に高まっている。
製品概要
『BVシリーズ』は過酷な環境下での設置に対応するため、使用環境の温度仕様については-10~55℃(充電時を除く)、あわせて塵埃対策としてのファンレス設計を実現した。また、置き場所に応じた設置方法を選べるように、薄型(1U)設計に別売りの金具を使用することで、計11種類の設置パターンに対応する。『BVシリーズ』は、リチウムイオンバッテリを搭載したことで、設置導入後のバッテリ交換に要する保守工数を軽減。さらに遠隔監視用ネットワーク機能(『BV55REM』のみ)を使用することで、UPSの接続機器が突発的にフリーズした際には、機器ごとに死活監視、および遠隔OFF・ON制御ができる。システムダウンの影響を最小化し、システム全体の保守工数も軽減する。
『BVシリーズ』の主な特長
使用環境温度-10~55℃(充電時は、0~55℃)
従来のUPSでは設置できなかった過酷な環境下でも使用可能(※2)。
ファンレス設計
塵埃などによる故障のリスクを軽減できる。
薄型1U(44.45㎜以下)設計
EIA規格に適合しており、従来のUPSでは困難だった狭所環境への設置が可能(※3)。
なお、上記3点を全て満たしたUPSは業界初(※1)。
11種類の設置パターンに対応
別売りの金具とセットで使用することで、置き場所に応じた設置方法を選べる。
PoE(Power over Ethernet)スイッチのポートごとの死活監視および遠隔OFF・ON制御(『BV55REM』のみ)
PoEスイッチに接続された、IPカメラやアクセスポイントなどの異常時、対象のPoEポートを自動で検出およびリブート制御が可能。
UPS本体(バッテリ含む)の設計上の標準使用期間:10年/25℃、7年/35℃、4年/45℃
従来の鉛バッテリに比べ長寿命なリチウムイオンバッテリを搭載、長期間使用でき設置後の保守工数を軽減できる。
3年保証(ご愛用者登録にて5年保証)
製品の万が一の故障による保守費用を低減できる(※4)。
※2 本製品搭載のリチウムイオンバッテリは、「BMS (Battery Management System)」により、バッテリの状態監視(電圧・温度など)を行う。
※3 固定するための金具類は、別売り。
※4 製品の経年劣化による寿命アラートは、保証の対象外。