ポーランド事情

ポーランド事情

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ポーランドはしっかりした地盤のプレートの上にあるため、地震がまったくない。

エージェントの日本留学経験者のお二人は、日本で初めて地震を経験されたそうだ。

従って、ほとんどのポーランド人は地震を経験したことがない。

 

だからこのような倉庫が出現する。

それに合わせた、ものすごいフォークリフトも開発された。

ポーランドでは、ほとんどどこの工場へ行っても、このような倉庫があった。

 

日本では、こんなに積んだら、地震の際、必ず死者が出るはずだ。

「地震」という制約条件がなくなると、ここまで行ってしまうというよい例だと思った。

 

これをなくすためには次の手順が必要だ。

1.シングル段取り化

2.平準化仕掛け

3.通い箱化

4.多回納入化(小さなトラックで定期便化)

 

いわゆる、「ジャスト・イン・タイム」を実現しなければならない。

一度仕掛けられた製品は、陸上競技のリレーのバトンと同じでなければならない。

バトンは走者から走者へ次々と手渡されてゴールへ入る。

このような倉庫の仕掛品(バトン)は、ずっとここに留まって、いつゴールへ入れるか皆目分らない。

トヨタの仕掛品(バトン)は、当の昔にゴールしている。

 

豊田喜一郎氏は、80年ほど前に、このような在庫の山を見て、ジャスト・イン・タイムを着想し、大野耐一氏がそれを具現化した。

大野氏はその後、生産性評価体制まで構築し、すべて完成させてこの世を去られた。

 

この生産性評価までがトヨタ生産方式だ。

ここまでTPSを実現させているのはトヨタ本体だけだ。

グループ会社もここまではやっていない。

 

なぜ、トヨタ本体が、この生産性評価をグループ会社まで展開しないのか、トヨタ在職中も不思議でならなかった。

しかし、そもそもこのオリジナルの発想は、新郷重夫氏でトヨタ本体はそれを忠実に具現化したと言える。

 

シングル段取り化・・・・・・・・(着想)新郷重夫・(完成)トヨタ

生産性評価・・・・・・・・・・・・・(着想)新郷重夫・(完成)トヨタ

ポカヨケ・・・・・・・・・・・・・・・・日本企業のどこか・(完成)トヨタ<QAネットワーク>

自「働」化・・・・・・・・・・・・・・・豊田佐吉

平準化仕掛け・・・・・・・・・・・豊田喜一郎

かんばん方式・・・・・・・・・・・大野耐一

 

これが第3次産業革命だ。

これで大量生産のモノづくり手法は完成した。

われわれ凡人は、あとはこの横展(マネ)をすればいいだけだ。

マネすらしようとしない経営者も実に多い。

他人ごとながら心配になる。


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。