現場での“正常 / 異常”の見える化を

現場での“正常 / 異常”の見える化を

中小製造業の現場に立って、現場リーダーにこう問いかけることにしている。

「今、順調ですか?」

次は、これに対する、あるひとコマである。

 

問いかけられたリーダーは、少しキョトンとした様子をしたかと思うと、壁にある時計に目をやり、機械周りの様子を見て、

リーダー:「順調です」

本多:「その根拠は何ですか?」

リーダー:「まず赤箱(不良箱)にモノが無い。この時間に、これだけのアウトプットが仕上がっている。だからです」

本多:「なるほど。では、今順調だということを、作業者は認識できていますか?」

リーダー:「……いいえ、できていません。」

本多  :「さっき、あそこに見える機械、止まったようですが、まだ誰も対応に来ていませんよ」

リーダー:「あっ……すいません。ちょっと見てきます」

 

この質問の意図は、今順調か否かを掌握して、関係者各位がどのようにアクションをとっていくかのしくみが、どの程度仕組まれ、実行、維持されているかを伺うことにある。

  • 良し悪しの基準は何か?
  • 何をどのように見れば良いか?
  • その基準は、どのように設定されたものであるか?
  • 会社方針・上位方針との関連性はどうか?
  • だれがいつ監視し、フィードバックするか?
  • 現場要員に認識されているか?
  • 貢献意欲を持ち、達成感を感じられるフィードバックとなっているか?
  • 異常発生時(または事前に)察知できるか?

現場での目配りポイントを明確化・共有化し、現場マネジメントの精度を高めていきましょう!!


1982年:名古屋工業大学経営工学科卒業後、NEC入社。 1988年(29歳):「自分はいったい何をやりたいんだろう?」と悶々としていた気持ちに終止符。NECを退社、社団法人中部産業連盟に入職し、経営コンサルタントの道を一歩踏み出す。直後、中小企業診断士取得。以降、主に生産・物流現場及び業務の生産性向上・コストダウン支援、ISO9001QMS構築及び効果的運用に携わる。 2006年(46歳)に独立、2008年にKWPコンサル㈱を設立。 独立したことによって、より中小企業経営者の目線・心情に寄り添い、3つのキラリ組織づくり(社員がキラリ、顧客にとってキラリ、社会においてキラリ)に向け、引き続きカイゼン道を歩む。 同時に、ISO9001審査活動を行う。 【資格】 ・国際経営コンサルティング協会評議会認定CMC ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント ・JRCA登録QMS(ISO9001)主任審査員 ・JACA登録QMS(ISO9001)管理技術者 ・CEAR登録EMS(ISO14001)審査員補 ・ITコーディネータ協会認定ITコーディネータ ・(元)経済産業省登録中小企業診断士(15年ほど経て失効) https://www.kaizen-wp.jp/