習慣は抵抗する|元トヨタマンの目
人間にとって一番やりやすい方法は、「慣れている方法」だ。
そして、それを行なっている誰しもが「やりやすいからそれが最も良い方法だ」と信じている。
しかし、やりやすいからといって、それが最も良い方法だとは、必ずしも言えない。
改善ということは、多かれ少なかれ「現状の変更」をしなければならない。
それは、慣れた方法からの転換を要求することになる。
ところが、その方法をやっているということは、やっている本人にとっては、いろいろな意味で「その方法に対する信頼感を抱いている」からやっているのである。
その信頼のある現在の方法を変革しようとするのであるから、「現状に対する執着」と「変革に対する抵抗」が起こるのは、当然のことである。
しかし「進歩は、常に現状を乗り越えていかなければならないもの」である以上、何としても、その「習慣の抵抗」を打ち破って前進しなければならないであろう。
進歩は常に変化によって生まれる。昨日と同じことをやっていては、1日進歩に遅れることになる。
そのためには、何としても現状を乗り越え、習慣の抵抗を打ち破る必要がある。
– 新郷重夫講演録より
P.S.
実はこのようなことはトヨタでも教えてくれませんでした。
先人の古典を紐解いてみると、出てくるような内容です。
一生懸命古典を掘り起こし、活用できるようにしたいと思っています。