習慣は抵抗する|元トヨタマンの目

習慣は抵抗する|元トヨタマンの目

人間にとって一番やりやすい方法は、「慣れている方法」だ。

そして、それを行なっている誰しもが「やりやすいからそれが最も良い方法だ」と信じている。

しかし、やりやすいからといって、それが最も良い方法だとは、必ずしも言えない。

改善ということは、多かれ少なかれ「現状の変更」をしなければならない。

それは、慣れた方法からの転換を要求することになる。

ところが、その方法をやっているということは、やっている本人にとっては、いろいろな意味で「その方法に対する信頼感を抱いている」からやっているのである。

その信頼のある現在の方法を変革しようとするのであるから、「現状に対する執着」と「変革に対する抵抗」が起こるのは、当然のことである。

しかし「進歩は、常に現状を乗り越えていかなければならないもの」である以上、何としても、その「習慣の抵抗」を打ち破って前進しなければならないであろう。

進歩は常に変化によって生まれる。昨日と同じことをやっていては、1日進歩に遅れることになる。

そのためには、何としても現状を乗り越え、習慣の抵抗を打ち破る必要がある。

– 新郷重夫講演録より

 

P.S.

実はこのようなことはトヨタでも教えてくれませんでした。

先人の古典を紐解いてみると、出てくるような内容です。

一生懸命古典を掘り起こし、活用できるようにしたいと思っています。


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。