改善のステップ|元トヨタマンの目
問題点を発見したら、その原因を徹底的に追究する。
そのために、なぜ?なぜ?……と5回以上繰り返して真因にたどり着く。
以上は、よく言われる言葉だ。
しかしこの言葉は、精神論に近いかもしれない。
頭の中で考える思考過程をより具体的に説明しなければ、聞いている人には分からないのではないだろうか。
そこで、次のような思考過程を踏みながら、なぜ?なぜ?を繰り返してほしい。
<改善の第1ステップ>……『技法の改善』
ネジ締めを、手動ドライバーから電動ドライバーに変えた結果、スピードアップができた。
<改善の第2ステップ>……『方法の改善』
現状はネジ締めだ。
しかし、「固定すればいい」のだから、「クランプ締め」とか「カム方式」とか「嵌合方式」などの方がワンタッチでできる。
<改善の第3ステップ>……『思想の改善』
なぜ、固定しなければいけないのか?
プレスとかプラスチック成形で「一体成形「してしまえば、固定すること自体が必要なくなる。
通常、第1ステップで終わってしまうことが非常に多い。
第2ステップ、さらに第3ステップまで切り込まないとだめだ。
さあ、明日から現場で、
「このことは『技法』か?⇒『方法』か?⇒『思想』か?」
「なぜ?なぜ?なぜ?……」
といったことを頭の中で繰り返して、悩んでほしい。