標準作業に対する監督者の姿勢|元トヨタマンの目

標準作業に対する監督者の姿勢|元トヨタマンの目

「標準作業を絶対守る」ということが、目標とする品質を満足し、しかも安価な製品を安全に生産することにつながる。

監督者(係長・組長・班長)は自分に責任を任された現場の工程を、最も良く知っている。

従って標準作業は技術員室の技術員ではなくて、現場の監督者が作らなければならない。

作成者である監督者は、その作業を適正な速さで、作業者に対してやって見せることができなければならない。

そして、その速さは、第三者に「確かに適正な速さである」と認められるものでなければならない。

また監督者は、自分の部下に「作業をこのようにやらせるのだ」という強い意志を含んだものにすることが大切である。

標準作業の実施は標準作業を守ることである。

改善は標準作業を改訂することである。

標準作業が守られていれば、もし作業の結果に異常があった時、原因の追究が容易にでき、また改善の手がかりや問題点の所在を知ることができる。

監督者は、品質を左右するものの要因の1つとして標準作業があることを決して忘れてはならない。


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。