これからの変化の時代に向けてのカイゼン【10】
今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所45】の解説です。
小さな仕事はパソコンで、大きな仕事は模造紙で。
先日、大阪府工業協会主催の「経営幹部・工場長のための工場経営研究会」の中の特別合宿が開かれ、講師として参加しました。
いつもは講師がレクチャーをして、約30名の参加者の方々はメモを取りながら聞いているという普通のセミナーなのですが、合宿は違います。
講師が1時間くらいレクチャーをしてその内容について5つの班に分かれた参加者の方々がそれぞれディスカッションして、その結果を発表ということを繰り返します。
ここでは皆さんが模造紙を囲んでワイワイガヤガヤとおしゃべりをしながら班の考えをまとめていくのですが、もしパソコンを使っての発表だと、誰かがキーボードに向かって書いていて、他の人はできるのを待っているといった感じになるので、ここまでは議論が盛り上がらないだろうなあと思います。
今回の議論テーマの一つに「若い人が会社をすぐに辞めてしまう」がありました。
最初は「今の若い人たちはこらえ性がない」といった批判的な目で見た議論から始まったのですが、それが徐々に「自分たちのころはOJT中心で体系的にしっかりとした教育を受けなかったので若い彼らにも同様な接し方をしているが、改めてしっかりと教育体系を作って教えていくべきだ」という結論へと変わっていきました。
ネットにそう書いてあったではなく、猛烈な議論を経てたどり着いた結果ですので、合宿から帰った皆さんはきっと何かを始めてくださっていることでしょう。
パソコンは正確性とか連携性は高いのでデータの集計や連絡には欠かせません。
しかし多くの人が連携して一つのモノを作っていくときには一覧性がないので今回のような議論はできません。
模造紙を使ったワイワイガヤガヤの議論は大きな仕事にはとても有効です。