主軸の油交換(前編)

主軸の油交換(前編)

こんにちは

急に暖かくなって来ましたね。

もうすぐ暖かい春です。

 

さて、仕事の話です。

先日、仕上げに使っている汎用旋盤 MS-850 の主軸の油を交換しました。

正確にはヘッドの油交換です。

高回転での加工でこれまでより発熱しましたので油を疑いました。

ここは主軸と主軸変速のシャフトを受けているベアリングとギヤーやスプラインの潤滑をする油になります。

重要な部分ですので気をつけてメンテナンスしました。

「ダフニーメカニックオイル32番」を入れました。

メーカー指定のオイルです。

 

まずヘッドの上部の蓋を開けました。

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内部はこのようになってます。

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底を見てびっくりしました。

たぶん組み立て時に配管やゆるみ止めのもみつけなどをした時のキリの切粉だと思います。

少なからず沈んでました。

森精機さんもう少しきちんと清掃してほしいものです。

 

とりあえず、古い油を抜きます。

フィルター下部のドレイン→ヘッド上部のドレイン→ヘッド下部のドレインの順番で抜きました。

 

次に底に落ちている切粉の除去です。

これを取るのはスペースが狭いので少し厄介です。

鋳物(FC)や鉄の切粉ですので磁石で取りました。

見えないところにもありますので、油を流して取れる所に誘導しました。

すみっこに黒いよごれがありましたのでこれはウエスでふき取りました。

 

最後に、灯油で古い油を洗い流しもう一度ウエスでふき取り、新しい油を入れ完了です。

念のため油さしで各部に新しい油をさし、手でいろいろな部分の動きを確認し蓋を閉じました。

(蓋を閉じる前に油を規定量少し下まで入れておくと能率的です)

油のゲージに油が見え出したら一度ポンプで油を循環させました。

変速はニュートラルでモーターを回します。

少しずつ油をたし、少し油が下に下がるのを待って、またたすを繰り返し規定量まで入れます。

 

私の場合、上限より少し下まで入れてます。

理由は、オイルポンプの負荷軽減と万が一油漏れなどが発生した時の余裕分。

それとゲージの上限を超えると、どこまで油が入っているか解りづらいからです。

 

油の量が決まれば、低速回転から順番に少し試運転しました。

各回転異音もなく、各変速もスムーズでしたので油漏れがなければこれで終了です。

書き忘れましたが、緩めたドレインボルトや蓋のまわりの油をきれいにふき取ってから試運転すると初期の油もれがあればこの時点で解ります。

念のため何日間かは油漏れがないか注意するようにしています。

以上でヘッドの油の交換は終了です。

 

実際高回転で加工してみて発熱が正常に戻ればこの油が原因だったことになります。

逆に治らなかった場合は、他を疑わなければなりません。

今ちょうど、いつもリピート頂いている数物のシャフトがありますので、それを仕上げる時に高回転が続きますので機械の状態がわかると思います。

 

これで(前編)は終わりです。

次回の(後編)で、油交換のついでの点検やベアリングの与圧調整の方法などを書きたいと思います。

 

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